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弥生時代の銅剣にサメの絵が彫られていた! 全国初、山陰限定の祭祀に使用か
鳥取県立博物館が所蔵する弥生時代の銅剣に彫られたサメの絵があることが分かり、県立公文書館などが10日、発表した。鋳造後に絵を施した青銅器が確認されたのは国内初。銅剣は祭祀に使われたとされ、公文書館は「銅剣を使った祭祀に迫る重要な発見」としている。
山陰地方では、青谷上寺地遺跡(鳥取市)などでサメを表現した弥生時代の土器や木製品が集中的に出土しており、公文書館は「極めて地域色の強い祭祀があったと考えられる」と指摘する。
公文書館によると、銅剣は平成2年度に個人から博物館に寄贈された。全長42センチで県内の神社の伝来品とされるが、出土地は不明。形や金属の成分分析から、弥生時代中期中ごろ(紀元前2世紀)の製作とみられる。
奈良文化財研究所(奈良市)の分析で、根元近くに鋭利な道具を引いてつけた長さ2・3センチの魚の絵が見つかった。流線形で、サメに特徴的な二つの背びれや、胸びれ、腹びれを表していた。
青谷上寺地遺跡では、サメを描いた土器や木製品のほか、鉄製品や中国銭なども出土し、弥生時代の海上交易の拠点とされている。公文書館の湯村功専門員は、遺跡の周辺で銅剣が使われた可能性を指摘。「サメは海を象徴し、海の恵みや交易の成功などを願ったのではないか」と話している。