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 映画監督の宮崎駿さんは、1月28日に都内で開かれた講演後の記者会見で、憲法やハンセン病への思いを語った。

 ――憲法改正の動きについてどう思われますか。

 「21世紀に入って、今までの枠組みでは考えられないようなことが世界中で起こり始めていると思います。それこそゲルマンとスラブとイスラムと、イスラムの中でもIS(過激派組織「イスラム国」)と。そういう葛藤がはっきり形を見せてきた時期だと思います。そのときに、僕らの中に『鎖国していればいいんじゃないか』という機運が自分たちの日常の中に、自分たちの職場の中に、濃厚に出てきています。僕にも出てきています。隅のほうで静かにしていようと。それではいけないという意見もあるんですけれども。それも含めて『僕は20世紀の人間で21世紀についてはなかなかわからん』という風にこのごろ口走るようになってきてしまってるんですけれども、本当に新しいレベルの葛藤と矛盾が噴出しつつある世界に居合わせている。だから、なるべく目をあけて道を誤らないようにやっていくしかないと思っています」

 ――憲法改正についてはどう思われますか。

 「反対に決まってるじゃないですか。あのね、僕の家内は僕よりも三つ上です。ということは戦時中、しかも父親は懲罰的な召集を受けて大陸に行ってましたから。思想犯で1年3カ月捕まってますんでね。ですから留守家族で子ども5人と、義理の母が本当に苦労したんですよ。そういう人たちがいっぱいいるわけです。その人たちの目の黒いうちはね、平和憲法やめようなんて言えないですよ。僕は家で言えませんね、絶対。ですから、僕は憲法を変えるのは反対です。一番最後でいいと思っています。世界でもし変えなきゃいけないとしてもね」

 ――原発再稼働については。

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