高校生の時の唯一の友人のブサイクな男と四国に旅行に行くことになった。
予定は自分が組んだ部分が多い。
結局、自分が全ての泊まるところを決めて予約した。
一番かかったのは、ある島のホテルだ。
この島の美術館、ホテルは自分の父親が飼う人魚の数百倍も可愛くて、人気があって、持て囃される人魚を飼っている一族がやっている。
もし、自分の父親の人魚が大きくなったら美術館でも建てられるのかなどと淡い期待を抱く。
ただ、どんなに美術品を持っても自分はキモい顔のままなのだろうと思うと無力さを感じる。
父の人魚は何時だって死んでしまうかもしれないと考えると益々嫌な気持ちになる。
醜い自分は人魚と「醜さ」について考えていると、そんなことを考える必要がない醜くない妹に腹がたってくる。
人魚が死んでも醜くないから守られ、幸せに生きていける可能性が高い。