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津波被災地の復興 「進まず」が過半数 NHK調査
2月11日 7時23分

津波被災地の復興 「進まず」が過半数 NHK調査
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東日本大震災の発生から5年になるのを前に、NHKが行った調査で、全体の過半数の人が、津波による被災地の復興が進んでいないと感じていることが分かりました。原発事故の除染が進んでいないと回答した人も、全体の80%近くに上り、多くの人が復興の進展を実感できていない現状が改めて示される形となりました。
この調査は、NHK放送文化研究所が、東日本大震災や日頃の防災の意識を探るため、去年の12月に全国の16歳以上の3600人を対象に行い、71%に当たる2549人から回答を得ました。
この中で、津波による被災地の復興がどの程度進んでいると思うか尋ねたところ、「あまり進んでいない」が48%、「全く進んでいない」が6%で、合わせて54%に上り、震災発生から3年を前に行った前回の調査と比べて10ポイント減少したものの、依然として全体の過半数が、「復興が進んでいない」と感じていることが分かりました。
また、東京電力福島第一原子力発電所の事故の被災地の除染が進んでいると思うか訪ねたところ、「あまり進んでいない」が56%、「全く進んでいない」が22%で、依然として8割近くの人が除染が進んでいないと感じていると回答しました。
また、国の復興対応についてどんなことが課題と考えるか複数回答で訪ねたところ、最も多かったのは「原発事故への対応」で73%、次いで「住宅再建への支援」が72%、「復興予算の使い道」が60%、「被災地の産業への支援」が57%、「心のケアへの支援」が54%でした。
防災心理学が専門の兵庫県立大学の木村玲欧准教授は「震災発生から5年近くたっても、国民の多くが復興が進んでいることを実感できず、漠然とした“復興の遅れ”がイメージとして定着し始めているのではないか。イメージが固定化され無関心につながらないように、国は今後も被災地の復興状況や必要な支援策について、丁寧に示していく必要がある」と話しています。

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