いま、民主党は本当に瀬戸際に立たされています。言うべきことを言わなくては手遅れになります。今回は敢えて、岡田克也代表にダメ出しをします。
前々回、そして前回と、立場もわきまえず、民主党の組織・戦略について率直な提言を書きました。
身内から批判されるのではないかと覚悟していましたが、特にそういうことはなく(内心不快に思われた方はいるかもしれません。どうぞご容赦くださいm(_ _)m)、逆に、関係各位からいろいろなお話を伺うことができました。
やはり、本気で国民と民主党のことを考えて書けば、伝わる人には伝わるのだと意を強くした次第です。
さらに、このような視点で意見を言う人間は、党内にはほとんどいなさそうだ…とも感じました。
配慮に配慮を重ねた上で、やはり、言うべきは言わなければならない。
そう確信しましたので、さらに勇気をもって…。
今度は、誠に恐縮ですが、岡田克也代表にダメ出しをします。
代表質問作成に100時間…?!
(「衆議院インターネット中継」よりキャプチャ引用)
1/26の衆議院本会議における岡田代表の代表質問は、大変すばらしいものであったと前々回書きました。
民主党 | 【衆院本会議】施政方針演説に対する代表質問(案) 岡田克也代表
ところがですね…。
…あとから知ったんですよ…。
なるほど、そりゃいい出来になるはずです…。
なんとこの質問作成に、代表自らが100時間もかけたというのですから…!!
民主・岡田代表、「提案型」代表質問不発に 首相が思わず噴き出す場面も
内容に対するディスは、いつもの産経なのでスルーで。
このニュースで重要なのは、岡田代表が質問作成に100時間かけた…という事実です。
そして、1/30に行われた党大会では、岡田代表が「100時間もかけたのに伝わらなかったから」と言って、この代表質問を印刷したものを配ったそうです…。
代表…!
代表…!
その一連のすべてに、問題意識を感じてください…!!
頼むから…。
「決断」には、多大な時間がかかるんです…!
前回の記事で「代表である岡田さんですら「1人でバッターボックスに入るバッター」としてしか機能していません」と書きましたが、まさか本当にいちバッターとしてバットを振っていたとは…。
想いは大変よくわかります。
そこまでする情熱を尊敬もしております。
だがしかし。
多数の国会議員、地方議員、そして20万人以上の党員を抱える全国政党のトップリーダーが、こんな時間の使い方をしてはいけません!
会派としての代表質問なんですから、国会議員数名とその秘書、それにスピーチライターを加えたチームを作って、そのチームに方針とクリアすべき要件を示し、原稿ができあがってきたらそれをレビューすればいいのです。
それでできることなんです。
代表は、代表にしかできない仕事をやらなければなりません。
いま、大変難しい決断を迫られてますよね?
残された時間は少ないですよね?
「決断」というのは、エイヤで決めればいいというものではありません。
どのような決断があり得るか。
それぞれのメリット・デメリットは。
動かせない前提条件は。
決断の結果起こる影響は。その影響を知らされる人は誰か。
その決断はどのようなアクションプランを生むのか。
そのすべてを洗い、それでも残る不確実性を、トップの責任において決断するのです。
そしてその決断は、アクションに直結していなければなりません。
トップが決断したら、組織全体がそれに従って行動できなければなりません。
トップの決断によって、組織が右往左往することがあってはなりません。
これらすべてを決め切るために。
「決断」には、多大な時間がかかるのです…!
トップの最初の責任は、自分の時間の使い方に組織のすべてがかかっていることを認識することです。
トップが無駄に時間を使うことは、その分だけ組織にとってマイナスになると、どうかご理解をいただきたいのです…。
「正しいことを言えば、伝わる」…これは、間違いです!
もうひとつ感じてほしい問題意識は、「100時間もかけたのに伝わらなかったから、党大会で代表質問を印刷したものを配った」という行動に対してです。
なんで、100時間もかけたのに伝わらなかったのでしょうか?
これは、岡田代表のみならず、いわゆるリベラルと呼ばれる方々にどうも共通しているのではないかと思われる「誤解」です。
「正しいことを言えば、伝わる」と思っていませんか?
「正しいことを言えば、伝わる」…これは、間違いです。
「想いは、きっと届く」…これも、間違いです。
「がんばれば、理解してもらえる」…これも、間違いです。
いつ、誰が、誰に対して、どのような場で、どのような仕組みで、どのような段取りで、どのように他の戦略とリンクさせて、どのような言葉で語るのか。
そして、それに対するリアクションをどう汲み上げ、どう次の戦略につなげるか。
という「コミュニケーション戦略」なしには、伝わらないのです…!
党内にそういう「コミュニケーションの場」がないので、部外者の目に触れることを承知で自分のブログに意見を書くしかなかく、これもまたコミュニケーション戦略の問題の一環であると、何卒ご理解をいただければ幸甚です。
中妻 穣太 東京都板橋区議会議員(民主党)
1971年仙台市生まれ。早稲田大学卒業後、家庭用ゲーム制作、ネットワークエンジニア、ITセキュリティエンジニア、携帯電話網エンジニア、ITコンサルティングなどに従事。2008年より、民主党衆議院議員・長妻昭事務所にて、ボランティアやアルバイトとして働き、2011年4月、板橋区議会議員選挙に初当選。現在2期目。
編集部より;この記事は、板橋区議会議員・中妻穣太氏のブログより2016年2月4日の記事を転載させていただきました(タイトル改稿)。中妻氏に心より御礼いたします。オリジナル記事をお読みになりたい方は、中妻じょうたオフィシャルブログをご覧ください。
前々回、そして前回と、立場もわきまえず、民主党の組織・戦略について率直な提言を書きました。
身内から批判されるのではないかと覚悟していましたが、特にそういうことはなく(内心不快に思われた方はいるかもしれません。どうぞご容赦くださいm(_ _)m)、逆に、関係各位からいろいろなお話を伺うことができました。
やはり、本気で国民と民主党のことを考えて書けば、伝わる人には伝わるのだと意を強くした次第です。
さらに、このような視点で意見を言う人間は、党内にはほとんどいなさそうだ…とも感じました。
配慮に配慮を重ねた上で、やはり、言うべきは言わなければならない。
そう確信しましたので、さらに勇気をもって…。
今度は、誠に恐縮ですが、岡田克也代表にダメ出しをします。
代表質問作成に100時間…?!
(「衆議院インターネット中継」よりキャプチャ引用)
1/26の衆議院本会議における岡田代表の代表質問は、大変すばらしいものであったと前々回書きました。
民主党 | 【衆院本会議】施政方針演説に対する代表質問(案) 岡田克也代表
ところがですね…。
…あとから知ったんですよ…。
なるほど、そりゃいい出来になるはずです…。
なんとこの質問作成に、代表自らが100時間もかけたというのですから…!!
民主・岡田代表、「提案型」代表質問不発に 首相が思わず噴き出す場面も
内容に対するディスは、いつもの産経なのでスルーで。
このニュースで重要なのは、岡田代表が質問作成に100時間かけた…という事実です。
そして、1/30に行われた党大会では、岡田代表が「100時間もかけたのに伝わらなかったから」と言って、この代表質問を印刷したものを配ったそうです…。
代表…!
代表…!
その一連のすべてに、問題意識を感じてください…!!
頼むから…。
「決断」には、多大な時間がかかるんです…!
前回の記事で「代表である岡田さんですら「1人でバッターボックスに入るバッター」としてしか機能していません」と書きましたが、まさか本当にいちバッターとしてバットを振っていたとは…。
想いは大変よくわかります。
そこまでする情熱を尊敬もしております。
だがしかし。
多数の国会議員、地方議員、そして20万人以上の党員を抱える全国政党のトップリーダーが、こんな時間の使い方をしてはいけません!
会派としての代表質問なんですから、国会議員数名とその秘書、それにスピーチライターを加えたチームを作って、そのチームに方針とクリアすべき要件を示し、原稿ができあがってきたらそれをレビューすればいいのです。
それでできることなんです。
代表は、代表にしかできない仕事をやらなければなりません。
いま、大変難しい決断を迫られてますよね?
残された時間は少ないですよね?
「決断」というのは、エイヤで決めればいいというものではありません。
どのような決断があり得るか。
それぞれのメリット・デメリットは。
動かせない前提条件は。
決断の結果起こる影響は。その影響を知らされる人は誰か。
その決断はどのようなアクションプランを生むのか。
そのすべてを洗い、それでも残る不確実性を、トップの責任において決断するのです。
そしてその決断は、アクションに直結していなければなりません。
トップが決断したら、組織全体がそれに従って行動できなければなりません。
トップの決断によって、組織が右往左往することがあってはなりません。
これらすべてを決め切るために。
「決断」には、多大な時間がかかるのです…!
トップの最初の責任は、自分の時間の使い方に組織のすべてがかかっていることを認識することです。
トップが無駄に時間を使うことは、その分だけ組織にとってマイナスになると、どうかご理解をいただきたいのです…。
「正しいことを言えば、伝わる」…これは、間違いです!
もうひとつ感じてほしい問題意識は、「100時間もかけたのに伝わらなかったから、党大会で代表質問を印刷したものを配った」という行動に対してです。
なんで、100時間もかけたのに伝わらなかったのでしょうか?
これは、岡田代表のみならず、いわゆるリベラルと呼ばれる方々にどうも共通しているのではないかと思われる「誤解」です。
「正しいことを言えば、伝わる」と思っていませんか?
「正しいことを言えば、伝わる」…これは、間違いです。
「想いは、きっと届く」…これも、間違いです。
「がんばれば、理解してもらえる」…これも、間違いです。
いつ、誰が、誰に対して、どのような場で、どのような仕組みで、どのような段取りで、どのように他の戦略とリンクさせて、どのような言葉で語るのか。
そして、それに対するリアクションをどう汲み上げ、どう次の戦略につなげるか。
という「コミュニケーション戦略」なしには、伝わらないのです…!
党内にそういう「コミュニケーションの場」がないので、部外者の目に触れることを承知で自分のブログに意見を書くしかなかく、これもまたコミュニケーション戦略の問題の一環であると、何卒ご理解をいただければ幸甚です。
中妻 穣太 東京都板橋区議会議員(民主党)
1971年仙台市生まれ。早稲田大学卒業後、家庭用ゲーム制作、ネットワークエンジニア、ITセキュリティエンジニア、携帯電話網エンジニア、ITコンサルティングなどに従事。2008年より、民主党衆議院議員・長妻昭事務所にて、ボランティアやアルバイトとして働き、2011年4月、板橋区議会議員選挙に初当選。現在2期目。
編集部より;この記事は、板橋区議会議員・中妻穣太氏のブログより2016年2月4日の記事を転載させていただきました(タイトル改稿)。中妻氏に心より御礼いたします。オリジナル記事をお読みになりたい方は、中妻じょうたオフィシャルブログをご覧ください。