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【阿比留瑠比の極言御免】「A級」分祀、万一譲っても中韓には無意味

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【阿比留瑠比の極言御免】
「A級」分祀、万一譲っても中韓には無意味

 中江要介元駐中国大使は平成12年4月の国会で、中曽根康弘首相(当時)の昭和60年8月15日の靖国公式参拝に対する中国側の認識を証言している。同年12月8日に中国の胡耀邦総書記に昼食に招かれた際、胡氏はこう指摘したという。

 「靖国には戦犯が2千人もいるじゃないか。戦犯というのはAもBもCもみんな変わりはないんだ」

 その後、胡氏は「A級戦犯だけでも靖国から外せば、世界のこの問題に対する考え方は大きく変わるだろう」と発言を軌道修正したというが、本音がどちらにあるかは論をまたない。

 国学院大の大原康男名誉教授によると、中国のメディアもこれまで次のように書いており、A級とBC級を特に区別していない。

 「靖国神社は、これまでの侵略戦争における東条英機(元首相)を含む千人以上の犯罪人を祭っている」(60年8月15日付の中国共産党機関紙「人民日報」)

 「そこには260万人の日本軍兵士にまざって、悪名高き東条英機を含む千人以上のA級およびB級戦犯が祭られているからだ」(平成11年11月12日付中国官営英字紙「チャイナ・デーリー」)

 日本と戦争をしたわけでも何でもないのに、なぜか靖国参拝に強く反発する韓国に至っては、もともとA級とBC級を分ける発想があまりないとされる。

 安倍首相の靖国参拝当日に、非難声明を発表した劉(ユ)震(ジン)竜(リョン)・文化体育観光相(政府報道官)は「戦犯を合祀している靖国神社」と戦犯全体を問題視しており、A級だけを分祀したところで効果は望むべくもない。

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