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【阿比留瑠比の極言御免】
「A級」分祀、万一譲っても中韓には無意味
どうしてこんな単純明快なことが彼らには分からないのか、本当に不思議でならない。民主党の前原誠司元外相は5日のTBS番組で、安倍晋三首相の靖国神社参拝に関連してこんな自説を展開していた。
「何らかの形でA級戦犯を分祀(ぶんし)し、外交問題化すべきではない」
何度も蒸し返されては、そのたびに立ち消えてきたいわゆるA級戦犯分祀論である。この筋の良くない話が、官邸内や外務省の一部でもささやかれているのだから手におえない。
前原氏はA級戦犯を分祀すれば、靖国が外交問題化しなくなると言いたいようだが、あまりに粗雑で甘すぎる議論ではないか。
そもそも、宗教法人である靖国神社側は「(神道の教義上)それはできない。ありえない」(湯沢貞元宮司)と分祀論を一蹴しており、政治の介入は政教分離の原則上も許されない。
仮に万一、その点がクリアできてA級戦犯を分祀したとしても、何の解決にもならないだろう。
中国は今度は、現在は対日カードとして温存中の靖国に祭られた千人以上の「BC級戦犯」に焦点を当て、再び対日批判を仕掛けてくるのは火を見るより明らかだからである。