3日午前9時5分ごろ、ソウル地下鉄1号線のソウル駅で、Sさん(81)が市庁駅方面の電車とホームドアの壁に挟まれ、線路に転落して死亡した。Sさんは手に持っていた紙製のショッピングバッグを電車のドアに挟まれたが、電車がそのまま発車したため、電車とホームドアの壁の間に吸い込まれ、その後線路に転落した。Sさんの知人Pさん(60)は「私とホームで話をしていたSさんが、あわてて電車に乗ろうとしたが間に合わず、ショッピングバッグだけが車内に入った状態になり、そのまま電車が発車した」と話した。
事故当時、ホームドアは開いていた。Sさんがホームドアと電車に挟まれたため、センサーが作動したのだ。関連規定によると、電車の乗務員はこのような場合、車外に出て状況を確認しなければならない。ところが、(1号線を運営する)ソウル・メトロの関係者によると、電車の車掌は「ホームドアの開状態を無視」というボタンを押し、発車したという。このボタンを押さなければ、電車は発車できないよう設計されている。
電車の後方に乗務していた車掌は、ホームドアが開いていることを示す表示灯が点灯していたにもかかわらず、ホームドアと電車の間にいたSさんを発見できなかったという。地下鉄は車掌がホームに異常がないかどうかを確認した後、運転士に合図を送って初めて発車できるようになっている。
韓国鉄道公社(KORAIL)の関係者は「車両後方に乗務していた車掌が、Sさんを見つけられないまま、運転士に発車の合図を送った」と話した。