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手術痕気にせず温泉 入浴着に理解求めるポスター

岩手県が作製した入浴着に理解を求めるポスター

 乳がんの手術を受けた女性が気軽に温泉を楽しめるようにと、岩手県は乳房切除などの手術経験者が専用入浴着を着用したまま入浴することに理解を呼びかけるポスターを作り、県内の旅館や温泉施設など約1100カ所に配布する。県医療政策室の担当者は「手術痕を気にすることなく全ての女性に岩手の温泉を楽しんでほしい」と話す。【近藤綾加】

 乳がんは、12人に1人が発症する可能性があるとされている。同室によると、県内で新たに乳がんと診断された人は、2009年766人、10年825人、11年775人。年間で少なくとも500人前後が、乳房の全摘出や一部温存手術を受けている。

 乳がん手術を受けると、胸元に手術痕が残る。不特定多数の人が集まる温泉などでは、周囲の目が気になり入浴をあきらめる人もいるという。

 そうした女性のために、上半身を覆う肌色の専用入浴着などが販売されている。着用したまま、せっけんなども使って体を洗い流すことができ、入浴しても衛生上の問題はない。しかし、手ぬぐい類の持ち込みを禁じる温泉も多く、入浴着への理解も十分とは言えない。

 このため、県は入浴着の説明や、入浴着を着用して温泉を楽しむ女性のイラストを描いたA2サイズの啓発ポスターを1300枚作った。県内の市町村観光協会を通じて旅館や公衆浴場などに配布し、ロビーや脱衣所などに掲示するという。

 長野県や新潟県など全国の温泉どころでも、同様の啓発ポスターで入浴着への理解を呼びかけている。同室の担当者は「入浴着を利用する人も、周囲の人も気持ちよく入浴できるきっかけになれば」と期待する。

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