Webマーケティングに関わっている人なら一度はきいたことがあるであろう「コンテンツマーケティング」。数多くのメディアでのその有効性が謳われ、興味を持っている方も多いのではないでしょうか。実際に検索トレンドを見ても2012年以降の検索ボリュームの増加が顕著であることが見て取れます。
▼「コンテンツマーケティング」の検索数の推移
また、2016年1月のGinzametrics社の調査によると、BtoC向け151名のマーケターのうち、コンテンツマーケティングを活用している企業は70%にのぼり、活用検討中の企業も25%、活用していない企業はわずか5%となりました。
コンテンツマーケティング調査レポート2016年版
このように日本のマーケティング市場で一定の市民権を得たように見えるコンテンツマーケティングですが、認知の拡大の一方、実際に正しく実践し成功事例を残している例はまだまだ全体からみると一部に限られています。
それは、まだコンテンツマーケティングというマーケティング手法に対しての正しい理解が浸透しておらず的確な実践がなされていないという根本的な問題があるからにほかなりません。
このページでは、コンテンツマーケティングとの本質的な理解から、実践していく方法を具体的な事例を交えてステップ・バイ・ステップでご紹介いたします。
これを機に、一人でも多くの方にコンテンツマーケティングの可能性を感じて頂ければと思います。
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは何か?に対しては数多くのマーケターやマーケティング企業が説明をしています。「コンテンツを用いて見込顧客を獲得すること」あるいは「コンテンツを通じてユーザーのロイヤリティを獲得する手法」。あなたも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
コンテンツマーケテイングの生みの親といわれているジョー・ピュリッジ氏の言葉を借りるとコンテンツマーケティングとは以下のように定義されています。
有益で説得力のあるコンテンツを制作・配信することによって、ターゲット・オーディエンスを引き寄せ、獲得し、エンゲージメントをつくり出すためのマーケティングおよびビジネス手法を指す。その目的は、収益につながる顧客の行動の促進である。
引用:いま話題のコンテンツマーケティングとは何か?
ここでいうコンテンツとはテキストベースのブログ記事や動画といったオンラインベースのものはもちろんのこと、オフラインのセミナーや説明会にいたるまで様々なものを対象としています。
▼コンテンツマーケティングとは顧客の求めるコンテンツを的確なタイミングで与えることでマーケティング深度を高めるマーケティング
なぜ今コンテンツマーケティングなのか?~従来のマーケティングと何が違うのか?~
一番上でもお見せしたように、日本でコンテンツマーケティングという手法が認知され始めたのはここ数年のことです。
その理由はマーケティングを取り囲む環境が、大きな2つの変化を遂げようとしているからです。その2つの変化とは
- 広告主からの一方的な広告メッセージがユーザーに届かない時代への変化
- 刈取り型マーケティングから「資産型マーケティング」の時代への変化
です。
それでは、一体なにがどう変化しているのでしょうか?それぞれの変化について詳しく見ていきましょう。
広告主からの一方的な広告メッセージがユーザーに届かない時代への変化
従来のマーケティングのメインの手法は「マス広告」と呼ばれるものでした。これはテレビ番組のCMや新聞の広告枠など、露出の多いチャンネル上に広告を載せ、不特定多数のユーザーに一方的にメッセージを発信するというものです。
露出の多いチャンネルにメッセージを発信できるため一度で多くのユーザーにリーチすることができますが、その一方であまり多くの情報を発信することはできません。また、ターゲットユーザーの絞り込みの精度を高くすることも困難です。
また、インターネットが広く普及し、さらにFacebookやTwitter等のSNSが当たり前に利用されるようになってきたため、1つのチャンネルに大量のターゲット顧客が存在するという「マス広告」の前提が成り立たなくなってきました。
それに加え、Googleを始めとした検索エンジンの検索技術の進歩と、それを使うユーザーの検索能力の発達が組み合わさった結果、ユーザー自身が手にすることの情報が量・質ともに格段に向上しました。
もはや一対多数で広げられる情報には限界があり、またCMのような一方的な広告メッセージではユーザーに求められる情報を発信できなくなってきたのです。
そこで台頭してきたのが「コンテンツマーケティング」という考え方です。
この手法であれば一度にリーチできるユーザーの母数は減りますが、より購買行動へ近い層へアプローチできるので、結果としてユーザーとの信頼関係構築は効率的にすすめることができます。
ユーザー側も自分たちのニーズに沿ったかたちで広告メッセージを受け取ることができるため、従来のマス広告と比べて遥かに有益な情報を得ることができます。
刈取り型マーケティングから「資産型マーケティング」の時代への変化
上ではコンテンツマーケティングが認知され始めた理由として、ユーザー側の変化が中心でしたが、今度は広告を発信する広告主の視点で分析してみましょう。
顕在顧客の刈取りから潜在顧客の獲得へ
従来の多くのマーケティング手法は、ニーズが顕在化している顧客をいかに囲い込むかということに焦点が当てられていました。特にWebマーケティングにおいてこの動きは顕著で、リスティング広告に代表される検索連動型広告など、購買行動を起こそうとしているユーザーへの露出をいかに増やすかということに目がむけられていました。しかし、Webマーケティングの発展とともに顕在顧客の刈取りへの参入者が爆発的に増加し、競争が激化しているのが現状です。
そこで新たに注目され始めたのが、潜在顧客の発掘とその顧客を顕在顧客へと変化させる動機付けの方法です。
この潜在顧客の発掘と動機付けにコンテンツマーケティングが適しているとして、注目されるようになり始めたのです。
マーケティング行動を資産化する
また、顕在顧客の刈取りには運用している限り一定以上のコストがかかり続けるというデメリットがありました。顕在顧客を刈取るためには、彼らの目にとまるように露出を続けていなければなりません。リスティング広告であれば、露出をすればした期間の分だけ費用がかかりますし、広告費用を削減した途端、削減分だけ露出が減ってしまうという掛け捨て型のマーケティング手法でした。競争が激化している現状で、掛け捨て型の広告行動を続けるには莫大な費用がかかり、多くの企業はその状況に疲弊し始めたのです。
その一方で、コンテンツマーケティングはユーザーに対して発信する情報の全てを、資産として蓄積し、中長期的な効果の持続を望む考え方です。マーケティングに投じたコストはコンテンツという資産として、企業の手元に残り続けるため、投じたコストをムダにすることなく、また広告費用の短期的な変動に効果が大きく左右される心配も減ります。
このようなユーザーのニーズ変化と、広告主の環境変化の両方の変化を受けて、コンテンツマーケティングという手法がいま注目されているのです。
コンテンツマーケティングとSEOの関係
よくコンテンツマーケティングとセットで語られることの多いSEOですが、両者の違いと関係性をこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
コンテンツマーケティングを実践する
STEP1:ユーザーの特定とユーザーフローの設計
コンテンツマーケティングの強みは、より顧客ニーズを高い水準で満たせる場所で情報を展開できることです。
そのためにはまず、自分のオーディエンスとなるユーザーの特定と、ユーザーの行動を設計してコンテンツを展開する必要があります。
ターゲットユーザーの設定 ”ペルソナを理解し設計する”
ユーザーに体験してもらうコンテンツの旅を設計しよう ”カスタマージャーニーの設計”
STEP2:的確なコンテンツを設計する
ターゲットユーザーの特定とユーザー行動の設計が完了したら、それに対応したコンテンツの配置を考えてイカなければなりません。
どこにどのようなコンテンツを配置するのか?コンテンツとコンテンツの前後関係はどう設計するのか?設計したユーザー行動に当てはめてコンテンツマップを作成していきます。
コンテンツマップの作り方
STEP3:コンテンツを目的に応じてしっかりとユーザーに届ける・検証する
どんなに完璧に設計しコンテンツを作り上げたとしても、それをオーディエンスにリーチ出来なければ何の意味もありません。
またリーチできたオーディエンスが当初予定していた層と違っても意味をなしません。コンテンツ拡散と最終的にリーチ出来たオーディエンスが設計と相違ないかの検証を適切に行う必要があります。