原因は人為的ミスの見方
【ベルリン中西啓介】ドイツ南部バイエルン州バートアイブリング近郊で起きた電車同士の正面衝突事故で、捜査当局が人為的ミスが原因との見方を強めていることが分かった。DPA通信などが9日夜(日本時間10日未明)、捜査関係者の話として伝えた。
DPAは詳細な原因には触れていないが、初動捜査の結果、車両トラブルなどではなく、人為的ミスが事故の発端になったと伝えた。
北部ハノーバーの地方紙は鉄道運行を管理する職員が遅延していた電車に対し、自動信号装置を切って「手旗信号の要領」で合図を送り、進行させたことが事故原因になったと伝えている。電車は通常、単線が複線化するポイントで対向の電車とすれ違うが、自動信号装置が切れていたため信号が正しく表示されず、衝突したという。
独紙ツァイト(電子版)によると、地元検察と警察はこの報道の信ぴょう性についてコメントしていない。捜査当局は今後、回収した運行記録の解析を進め、原因解明を進める。9日朝に起きた事故では、10人が死亡し、81人が負傷。現在も1人の行方が分かっていない。