先日、長男の授業参観に行ってきました。年度末にふさわしく、この1年間を振り返って「自分が成長したこと」を、それぞれスピーチするという内容でした。
スピーチは「原稿用紙1枚分程度」のボリュームで、1人の持ち時間は1〜1分半くらいといったところ。スピーチといっても、原稿をみながらの発表なので「作文発表」に近い印象でした。
ざっくりと感想をいうならば、「わかりやすそうにみえてわかりにくいスピーチが多かった」かな。わたしとしては意外だったんだけど、実は男子の方がわかりやすいスピーチが多かった。
今日はその辺についてちょっと書いてみようと思います。忘れないうちに。
ボキャブラリーが豊富で大人っぽい女子
全体的な印象として、女子の方はボキャブラリーが豊富だなと思いました。使う単語、表現が大人っぽい。思春期に入ったくらいの子たち特有の、あの「ちょっと背伸びする感じ」がとてもかわいい。
ただ、話の組み立て方は感情の赴くままにという子が多く、同じことを何度も言葉を変えて繰り返したり、話があちこちに飛んだりするので、「結局何が言いたかったんだっけ?」というスピーチになりがちでした。
そして、全体的に話が長い。耳が痛い(笑)
言いたいことをどんどん並べる男子
一方、男子で多かったのは、先生が「こういうことを書きましょう」と箇条書きで書いた内容を文にして、「そして」でつなげて並べたんだろうな、というスピーチ。
文としては幼い印象を否めないけれど、使っている言葉や表現は平易なものばかりなので、結果的には言いたいことがだいたい伝わるスピーチが多かったです。
わかりやすかったスピーチの特徴
そんな中でも、わかりやすいスピーチをした子が男女あわせて数名いました。その子たちの特徴をざっとまとめるとこんな感じ。
- テーマを1つに絞って掘り下げる
- ナンバリングの手法を使う
- 段落わけが伝わってくる読み方
- わかりやすい言葉づかい
テーマを1つに絞って掘り下げる
ある男の子のスピーチは、1年間で成長したことをいくつも挙げるのではなく、1つに絞って掘り下げていくものでした。どうして成長できたのかという理由と、現在の自分に足りないところ、今後どうしていきたいかという展望までを、わかりやすい言葉でまとめられていて、とてもよかった。
本人は作文が苦手だと言っていたけれど、「全然そんなことないよ!」と言いたくなるような、すばらしいスピーチでした。
ナンバリングの手法を使う
この男の子のスピーチは、「僕がこの1年間で成長したなと思うことは2つあります。まず1つ目は〜。2つ目は〜」というナンバリングの手法を使ったもの。最後に成長したと思う2つのことから導き出した自分なりのまとめと、今後どうなりたいかという展望が述べられていて、整理された論理的な構成だなと思いました。
段落わけが伝わってくる読み方
クラスで唯一、ときどき原稿から目を離して聴衆をみながらスピーチをしたのがこの女の子。ハキハキとした話し方、そして文をきちんと段落にわけているのが伝わってくるような「間」をおく読み方。聞いているこちらがうっとりするような、引き込まれるようなスピーチでした。
わかりやすい言葉づかい
これはわかりやすいスピーチすべてに共通したこと。もしかしたらボキャブラリーが少ないために、必然的に平易な言葉づかいになっていたのかもしれないけど(笑)
難しい言葉や、表現を使いたくなる気持ちはすごくよくわかる。それに言葉は使うことで自分のものになっていくから、どんどん使ってみることは決して悪いことではないと思う。でも、大勢の人に何かを伝えたいときは、なるべく誰が聞いてもわかるような言葉や表現にしたほうがいいんだなと思いました。
まとめ
長男のスピーチがどうだったかというと、意外なほどわかりやすくてびっくりしました。実は、わかりやすかった子の事例にもあげたナンバリングの子が長男です。
高学年になってくると原稿用紙1枚分程度の作文を書いたり、委員会の活動報告をまとめたりする機会がぐっと増えます。時間内に書き終わらなければ居残りや宿題になってしまう。長男はそれが嫌で「型」を使うようになったそうです。
数年前になりますが、作文が苦手であまりにも時間がかかる長男に、いくつかの「型」を教えてあげたことがありました。 その型にはめてしまえば、とりあえずわかりやすい文は書けるよと。そのうちの1つがナンバリングだったというわけです。長い月日を経て、ようやくその「型」の有用性に気づき、活用できるようになったんだなぁ。しかも「居残りなんてめんどくさいから嫌!」という理由で(笑)カエルの子はカエルだなと思った瞬間でした*1。
最後に。
型を教える際に参考にしている本はこちらです。
この本はプリント形式になっているので、そのまま取り組むことも可能。うちはいいとこ取りして使っています。交通事故を目撃したときの通報の仕方や、電話で伝言を預かるときのメモの取り方など、大人にも役立つノウハウがいっぱい。かなり勉強になりますよ。
おしまい。
▽ 過去記事 gambaruko.hatenablog.com gambaruko.hatenablog.com gambaruko.hatenablog.com
*1:わたしも夫もかなりの面倒くさがり