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「NHK呼び説明」決める 予算案報道で

 滋賀県議会は10日、NHK大津放送局が2016年度県当初予算案の概要について、県から議会に説明する前に報道したことを「遺憾」として、17日に開かれる全員協議会にNHKの担当者を呼んで説明を求めることを決めた。自治体が正式公表する前の報道に対し、議会が介入して報道機関を呼び出すことは極めて異例で、報道の自由の問題に詳しい識者は批判している。

     県は今月5日、「滋賀県政記者クラブ」に加盟する新聞・放送各社に当初予算案を説明し、10日にある県議会議会運営委員会の終了後に報道するよう求めた。NHKは前日の4日夕方、独自取材に基づいて予算案の規模や事業の概要を放送していた。報道機関と県議会の間では、報道の時期について取り決めはされていない。

     この日の議運で、自民党県議団の県議が「県議会への説明前に報道したことはルール破りであり、看過できない。議会に説明を求めたい」と発言。出席した他会派からも異論はなく、2月定例県議会初日の17日に開催予定の全員協議会に、NHKを呼んで説明を求めることを決めた。

     報道を巡っては、県は5日、知事公室長名でNHK大津放送局に抗議文を送っていた。【北出昭、衛藤達生】

    メディアを広報機関扱い

     大石泰彦・青山学院大教授(メディア倫理)の話 県議が説明を受ける前に予算案が報道されたことを問題視するのは、メディアを(自分たちの)広報機関扱いしているからで、メディア側は厳重に抗議すべきだ。報道機関には独立して権力を監視する役割があり、県議会の言い分を受け入れることになれば、県民からの信頼を失うだろう。

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