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 ドイツ南部バイエルン州バート・アイブリング近郊で9日朝に起きた列車の正面衝突事故で、独DPA通信は9日、捜査当局に近い情報筋の話として「人為的ミス」で引き起こされた可能性があるとの見方を伝えた。当局は運行データを記録したブラックボックスを回収し、解析を進めている。

 確認された死者は10人になった。当局は当初、負傷者の人数を約150人としていたが、その後約80人とした。在ミュンヘン日本総領事館によると、日本人が巻き込まれたとの情報は入っていないという。

 衝突は、見通しの悪いカーブの単線区間で発生。列車の速度はどちらも制限速度の時速100キロ程度に達していたとみられている。

 運輸当局によると、現場には事故防止のため自動列車停止装置が設置されていた。DPA通信によると、列車運行会社の報道担当者は、事故の1週間前の点検では装置に問題はなかったと説明しているという。ドブリント運輸相は9日の会見で「運転士はどちらも直前まで相手に気づかず、ブレーキをかけていなかった可能性もある」と指摘した。独メディアは事故時に人為ミスで自動列車停止装置が作動しなかった可能性を指摘している。(ミュンヘン=玉川透)