人の息だけで、癌は元より糖尿病などにかかっている疑いを診断できる高精度センサーが、産官学合同で開発されました。
これをスマートフォンなどに組み込み、個人でも手軽にチェックすることが出来れば、早期発見で膨らんでいる医療費の抑制にもつながると期待されています。
実用化に向けては、京セラ・NECなどのスマホに関わっているメーカーや、住友精化、スイスの精密機器のメーカー、そして大阪大学とつくば市にある国立研究開発法人の物質・材料研究機構が中心となって進めています。
数ミリ四方の小さいチップであるセンサーに搭載された膜が、呼気の臭いを分析し、含有物質を高精度で判別。結果を、グラフや数値で示します。
センサーの精度を高め、においに関するデータを蓄積していけばがんの種類も見極められるようになる可能性が高いとのこと。
このセンサーの1個の製造のコストはなんと数百円。実用化に向けては、がんのにおいの物質に関するデータ収集や精度を高めるための開発、そして、国による医療機器の認証などによって、あと6年ほどかかる見通しです。
日本人の死因のトップとなっているがん。内閣府によると2014年の調査では、がん検診の受診率はわずか約40%。欧米の先進国の半分程度といいます。
今回開発されている手軽な呼気診断は、受診率向上にもつながりそうなのですが、病気の確定にはやはり医療機関での詳しい検査を受けることが必要なのではないでしょうか。
呼気でがんを始め、様々な病気を診断する方法は 欧米で10年以上前から研究が始まっており、日本でも近年注目を集めています。
以前、九州大学などのグループでがん患者の呼気をかぎわける“がん探知犬”を使い、がん患者に特有のにおいがあることを英国の医学誌に報告したこともありました。
コストも安くて、思い立ったらすぐに、痛みも全くないこの検査。
癌の早期発見で治癒率も高くなり、膨らむ医療費の抑制につながると期待が寄せられています。スマホにセンサーが搭載された暁には、もう皆さん日課になっちゃうかもしれませんね。
癌を犬が臭いで探知する映像。5つの箱の4番目に「癌患者の息」、それ以外に健常者の息を入れています。13種類の癌をほぼ100%発見できます(0:20)
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