ベビーカーを押す夫婦に、終の棲家と決めた高齢者。705戸の住民がそれぞれ、まったく違った事情を抱えている。そんなバラバラの住民間に、いま奇跡的な一体感が生まれているのはなぜなのか。
こんなに早く決まるとは
横浜の「傾きマンション」騒動が勃発してから約3ヵ月。
いまこの現場では、これまでの不動産業界の常識では考えられなかったような、画期的な出来事が起ころうとしている。
「マンション問題は往々にして、長期化するものです。施工不良が発覚してから10年以上も問題が解決せず、不良物件に住み続けなければいけないというケースも稀ではない。それが横浜のマンションでは、騒動発覚からほんの3ヵ月でもう、『全棟建て替え』への道筋が見えてきました。
そもそもマンションの建て替えには、所有者の5分の4以上の賛成が必要。横浜のマンションは全705戸の巨大物件なので、住民の意見をまとめるのは事実上不可能とも言われてきた。仮にできたとしても合意に数年は要すると見られましたが、今年に入って早々に『全棟建て替え』のハードルがクリアできそうなのです」(マンション評論家の榊淳司氏)
マンション管理組合が年末から年始にかけて全住民に向けて行ったアンケートの結果が、このほど明らかになった。
アンケートは、「全棟建て替え」「一部の建て替え」などいずれを希望するか、今後の方向性を住民に記名方式でたずねたもの。
その結果は、「全棟建て替え」を希望したのが628戸。全705戸の5分の4を優に超える、約89%の住民が「全棟建て替え」に賛意を表明したものだった。
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