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3歳女児死亡事件 「虐待のリスク」見逃す2月9日 20時15分
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先月、埼玉県狭山市で3歳の女の子が死亡した虐待事件で、逮捕された母親は去年、3人目の子どもを妊娠した際、パートナーの欄は空欄で市に届け出ていたことが分かりました。「パートナーがいない、未婚での子育て」は国や市のマニュアルに虐待のリスクがあると記されていますが、市は聞き取りなどをしていませんでした。
この事件は先月9日、狭山市で藤本羽月ちゃん(3)が顔をやけどした状態で死亡し、母親の藤本彩香容疑者(22)と同居していた大河原優樹容疑者(24)は暴行の疑いで再逮捕されています。
今回の事件で、狭山市の担当者は乳幼児健診の未受診を虐待のサインとして認識していなかったことなどから、市が対応の問題点を調べていました。その結果、藤本容疑者が去年8月、3人目の子どもの妊娠を市に届け出た際、パートナーの欄は空欄だったことが新たに分かりました。
「パートナーがいない、未婚での子育て」は、虐待のリスクがあるとして注意するよう国や市のマニュアルにも記されていましたが、市は聞き取りなどをせず、必要な支援につなげていませんでした。
今回の事件で、狭山市の担当者は乳幼児健診の未受診を虐待のサインとして認識していなかったことなどから、市が対応の問題点を調べていました。その結果、藤本容疑者が去年8月、3人目の子どもの妊娠を市に届け出た際、パートナーの欄は空欄だったことが新たに分かりました。
「パートナーがいない、未婚での子育て」は、虐待のリスクがあるとして注意するよう国や市のマニュアルにも記されていましたが、市は聞き取りなどをせず、必要な支援につなげていませんでした。
虐待のサインに気付くチャンスを逃していたことについて、狭山市福祉こども部の松本寿太郎部長は、「一つ一つは小さなリスクだったが、そのリスクをどうつなぎ合わせるのかが、まずやらなくてはいけない課題だ。関係機関の情報を一元化すればリスクが上位にあがることもあるので、大きな課題として真摯(しんし)に受け止めている」と話しています。
そのうえで、松本部長は「市の対応を根本的にもう一度考え直す。専門家の助言も受けながら早急に課題を解決していきたい」と述べ、来月中には虐待防止の新たな仕組みを取りまとめるとしています。
そのうえで、松本部長は「市の対応を根本的にもう一度考え直す。専門家の助言も受けながら早急に課題を解決していきたい」と述べ、来月中には虐待防止の新たな仕組みを取りまとめるとしています。
専門家「行政が子どもを守るべき」
虐待問題に詳しい国立成育医療研究センターの藤原武男医師は、「未受診などを虐待のリスクとみなしていない自治体がいまだにあるということが、いちばんの驚きだ。虐待は予防はできるという認識に立って、行政側は最新の情報を学び続けなくてはいけない。子どもは声を出せないので行政がきちんと子どもを守るべきだ」と話しています。