鉱業株が急反発、2008年以来の大幅上昇-暗い景気見通しが吉と出る
2016/02/05 05:32 JST
(ブルームバーグ):米経済見通しは予想していた以上に暗さを増し、鉱業株の急反発を促進。値上がり率は金融危機以来で最大となった。
中国需要の急減と金利上昇見通しに圧迫され、この1年間で急落していた鉱山株は今や、7年ぶりの大幅上昇の勢いだ。フリーポート・マクモランやアングロ・アメリカンなどの大手鉱山株で構成するブルームバーグ世界鉱業株指数は、採用銘柄の時価総額合計がこの2日間で460億ドル(約5兆3650億円)膨れ上がった。
急反発の背景にあるドル安は、世界経済の成長が十分に強くないため米金融当局は追加引き締めを見合わせるとの観測が要因。銅から金にいたる金属全般が代替資産としての魅力を高めた。
インベステックのアナリスト、ハンター・ヒルコート氏は電話取材に対し、「ドル安意識がこの値動きをもたらした」と指摘。「驚異的な反応だった。株式市場の商いの薄さで増幅された感はある」と述べた。
これに世界最大の金属消費国である中国から追い風が吹いた。中国政府は20年ぶりに経済成長目標にレンジを適用し、今年の成長率は6.5-7%を目指すと表明した。
T&Kフューチャーズ・アンド・オプションズ(フロリダ州ポートセントルーシー)のマイケル・スミス社長は電話インタビューで、「この成長見通しは産業用金属の価格にとって極めて強気な内容だ」と指摘。「需要拡大を促し、今の過剰供給の一部を飲み込むに違いない」と続けた。
原題:Biggest Mining Rally Since 2008 Propelled by Gloomier Economy(抜粋)
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更新日時: 2016/02/05 05:32 JST