ワシントン=五十嵐大介
2016年2月10日01時01分
オバマ米大統領は9日、同政権で最後となる2017会計年度(16年10月~17年9月)の予算教書を議会に提出する。政権の「レガシー(遺産)」にしたい地球温暖化対策や中間層支援などを盛り込む方針だ。
地球温暖化対策では、石油会社から1バレルあたり10ドル(約1140円)の手数料を徴収する「石油税」を提案する。そうした財源をもとに、今後10年間で、高速鉄道など環境に配慮した交通網の整備に3200億ドル(約36兆円)を投資する方針だ。
中間層支援では、中低所得者向けの子育て支援の充実や、減税などを盛り込む。小規模企業の従業員やパート従業員ら向けに、年金の拡充策も提案する。予算には、今月参加国で署名した、環太平洋経済連携協定(TPP)の関連費用も盛り込む。
また、医療費の削減や富裕層への増税を通じて、財政赤字を今後10年間で2・9兆ドル(約330兆円)削減する方針も示す。
議会が予算を作る米国では、大統領に予算法案を作る権限がなく、予算教書は大統領からの「勧告」の性格が強い。共和党側はすでに反対姿勢を示しており、すべての施策の実現は困難な状況だ。(ワシントン=五十嵐大介)
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朝日新聞国際報道部
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