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32年全線再開案浮上 JR常磐線

 JR常磐線で唯一、運転再開の時期が明示されていない富岡(富岡町)-浪江(浪江町)駅間(20・8キロ)について、政府内で平成32年に運転再開させる案が浮上した。JR東日本が2月下旬にも示す試験除染の結果を踏まえ、東日本大震災から丸5年となる3月までに再開時期を発表する見通し。富岡-浪江駅間の開通で常磐線は全線再開となり、沿線の復興加速化が期待される。

 関係者によると、試験除染で放射線量低減の効果が認められる見通しとなったため、政府は再開時期を示す考えだ。線路周辺の除染、損壊した鉄橋や線路の復旧に要する期間を考慮し、東京五輪・パラリンピックが開かれる32年を軸にJR側と再開時期を協議するとみられる。
 政府は震災と東京電力福島第一原発事故で被災した浜通りの復興と住民の帰還促進につなげるため昨年3月に全線再開方針を示し、開通時期の提示に向けて調整を進めていた。
 帰還困難区域を通る富岡-浪江駅間は26年12月の調査で線量の平均が毎時4・1マイクロシーベルト、最大線量が毎時29・6マイクロシーベルトだった。JR東日本は線量低減の効果を確認し、再開時期を見極めるため試験除染を進めていた。昨年8月から12月にかけて夜ノ森(富岡町)-双葉(双葉町)駅間で実施し、現在、分析を進めている。結果は今月下旬にも開催されるJR常磐線復旧促進協議会(政府とJRで構成)で報告される予定だ。
 政府は昨年3月、常磐線について、富岡-浪江駅間を除き、30年春までに運行を始める方針を決めている。

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