名古屋の宝飾店社長ら4人を逮捕
大阪地検特捜部、消費税法違反容疑などで
商品を海外へ輸出する際に仕入れ時に負担した消費税が還付される「輸出免税制度」を悪用し、計約6861万円の不正な還付を受けようとしたとして、大阪地検特捜部は9日、名古屋市中区の宝飾店「ジュピター宝飾」社長、長谷川彰容疑者(48)=同市中区=ら4人を消費税法違反(不正還付)などの疑いで逮捕した。特捜部は、長谷川容疑者らが複数の会社に対し、高級腕時計の取引を装った消費税の不正還付を指南したとみて捜査している。
他に逮捕されたのは、同社の元取締役、吉村元宏(39)=同市西区▽元経理部長、梅本幸子(38)=同市中区▽元営業部長、市川哲司(32)=東京都港区−−の3容疑者。
逮捕容疑は、長谷川容疑者ら4人は大阪府岸和田市の会社役員の男(41)と共謀し、制度を悪用。2012〜13年、男が経営する輸出販売会社(大阪市淀川区)など2社が腕時計を国内で仕入れ、香港に輸出した取引を行ったように装い、消費税約6861万円の還付を不正に申請したとされる。税務署はそのうち約400万円を実際に支払っていた。
一方、特捜部は9日、法人税滞納による財産の差し押さえを免れようと売上金約4925万円を隠したとして、奈良県大和高田市の時計輸出入会社「グラフィティ」社長、森井昭徳容疑者(47)=大阪府河南町=を国税徴収法違反(滞納処分免脱)の疑いで逮捕した。特捜部と大阪国税局は森井容疑者も長谷川容疑者らから指南を受けて、不正に消費税約6217万円の還付を受けたとみて調べている。【藤顕一郎、岡村崇、原田啓之】