アルバイト・パートの正社員化と求人倍率の関係まとめ

先日2015年12月の有効求人倍率が公表され、1.27倍にまで改善したとのニュースがありました。これは1991年12月以来、24年ぶりの高い水準であるそうです。
近年、日本経済は改善傾向にあり、メディアなどでも『人手不足』の問題が取り上げられることも多くなっています。その中で、企業がアルバイトやパートスタッフを正社員化する動きも出てきており、これは従業員を安定して確保したいといった思惑の表れであると言えるでしょう。
今回は、アルバイト・パートの正社員化と求人倍率の関係について特集していきたいと思います。
※有効求人倍率とは?

有効求職者数 に対する有効求人数の比率のことで、1倍を上回ると求人数のほうが求職者より多い状態、つまり人手不足になってしまいます。求職者側からすれば、希望の仕事を見つけやすい状態です。
反対に有効求人倍率が1倍を下回れば、求職者のほうが求人数より多く、多くの人が職を見つけられない状態になります。この時、失業率は上がる傾向があります。
景気が改善し人手不足が起こると、バイト先から社員にならないかという話が増える

バイト先で働いていたら、『うちの正社員にならないか』という話を持ちかけられた方はいませんか?近年のような景気回復期には、こうしたアルバイトやパートスタッフから正社員になったというケースが増える傾向にあります。
では何故こうした正社員化の動きが増えるのでしょうか。それを理解するために、まず初めにアルバイトやパートスタッフと正社員の特徴を確認してみましょう。
アルバイト・パートスタッフの特徴
・正社員に比べて給与が低い
・社会保険、賞与や有給休暇などの福利厚生もないことが多い
・正社員と比較すると長期で安定的に働くことが少ない
・正社員と比べて仕事の幅が限定的
正社員の特徴
・アルバイト・パートスタッフに比べて給与が高い
・上記の福利厚生もある場合が多い
・アルバイト・パートスタッフに比べて長期で働く場合が多い
・アルバイト・パートスタッフに比べて任される仕事の幅も広く、責任も大きい
もちろん全ての雇用先でこうした違いがあるとは言えないのですが、一般的にこうした特徴があります。
つまり、企業はアルバイト・パートスタッフを正社員化をすることで、給与や福利厚生などの負担が増える代わりに人材を安定して確保できるわけです。さらに、上記したように正社員の方が任される仕事の幅も広く責任も大きい傾向にあるため、企業としては責任を持って成果を上げる人材を増やしたいといった考えもあるでしょう。
いち早くアルバイト・パートスタッフの正社員化に動いた企業

ただ、アルバイト・パートスタッフの正社員化を全ての企業が実施できるわけではありません。アルバイト・パートを雇うよりは、正社員を雇ったほうが企業の負担としては大きいため、正社員化を実施できる企業は、比較的業績や見通しの良い企業に限られています。
では具体的にどういった企業がアルバイト・パートスタッフの正社員化を行ったかを見てみましょう。
『ユニクロ』を運営するファーストリテイリングの取り組み

カジュアル衣料品店『ユニクロ』を運営するファーストリテイリングは2014年6月からアルバイト、パートの正社員化に着手しました。
日本国内の店舗で働くアルバイト、パートなどの非正規スタッフ約3万人のうち1万6000人を順次、地域限定の「R(リージョナル)正社員」とする試みで、時給制から月給制に切り替え、賞与も支給すると発表しました。

同社の柳井正会長兼社長は、かねてより少子高齢化によって人材が枯渇していく状況においては、時給1000円では人が集まらないと述べており、こうした取り組みによって人材を安定的に確保しようとした取り組みとなりました。(参考:東洋経済)

その他、同時期にはIKEAやスターバックスでもアルバイト・パートなどの非正規社員の正社員化の動きが見られました。
2016年になった今振り返ってみると、こうした企業の2014年における正社員化の取り組みは正しかったと言えるでしょう。上記のグラフから分かるように2014年以降も求人倍率は上昇し続け、多くの企業は新たに人材を確保することが難しくなっていることが見て取れます。
つまり、人手不足が深刻化する前に長期で勤務できる人材を確保できた企業は、求人倍率が上昇してきた状況下においても、比較的安定して運営することが可能となります。
まとめ

・景気が改善し人手不足が起こると、企業の非正規社員から正社員化する動きが見られる
・企業は正社員化をすることで、負担が増える代わりに比較的長期勤務する人材を確保できる
・景気拡大期の初期、つまり人手不足が深刻化する前にいち早く正社員化に動いた企業は求人倍率が高くなってきても、正社員化によって確保した人材によって比較的安定して運営することが可能
いかがでしたか?現在アルバイトを頑張っている方は、明日バイト先から『正社員にならないか?』との誘いがあるかもしれませんよ。