記事作成日:2016/02/09 17:08 │ 最終更新日:2016/02/09 17:08
我が国初めての中国風の都として建設され、現在も発掘調査が進められている藤原宮跡。その発掘の成果を一般に公開するための施設が、藤原宮跡資料室です。その藤原宮跡資料室の運営主体は、国立文化財機構・奈良文化財研究所。通称「奈文研」(なぶんけん)。
我が国屈指の考古学研究所が展示・解説する埋蔵文化財が無料で観覧できます。やさしくもあり、難しくもあり、タイムスリップはしませんが、知識欲は満たせます!
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写真:寺嶋 一馬 / 地図を見る
藤原宮跡資料室は、奈良文化財研究所都城発掘調査部(飛鳥・藤原地区)が、発掘調査や整備をおこなった調査・研究の成果のうち、「藤原宮と京」に関する成果を一般に公開しています。ちなみに正式名称は、奈良文化財研究所都城発掘調査部展示資料室「藤原宮跡資料室」といいます。
名前は“資料室”ですが展示は博物館と遜色なく、最新の発掘成果を展示する速報展示、基準資料室、展示室の3室で構成されています。
写真:寺嶋 一馬 / 地図を見る
資料室にはガイドさんがいて、解説をしてくださる場合もあります。展示解説は詳細に記されていますが、展示の意義や、ポイントなど、質問があれば答えてくれるガイドさんがいれば理解の一助となります、恥ずかしがらずに案内を乞うてみましょう。
展示構成は、
◆新しい都:藤原京をつくる。藤原京が造られていく過程。
◆完成した都:わが国最初の本格的な都市である藤原京のようす。
◆埋もれた藤原の都:都が平城京へ移った後、農村へと変貌していくようす。
◆研究と保存のあゆみ:地下に埋もれた藤原京が、再び掘り出されていく過程。
これらの観覧のポイントとして、藤原宮は、都造りも我が国初で、日本で初めて条坊制を用いた都、日本で初めて造られた瓦葺の宮殿、主要な建物は礎石建ちで、そもそも大極殿なども初めて、制度的にも大宝律令(たいほうりつりょう)の制定(701年)や、日本で最初の流通貨幣と言われる和同開珎(わどうかいちん)の鋳造(708年)など、我が国初をキーワードに展示を見ていかれると興味深いでしょう。
この他に、最古のカレンダー「具注歴」、当時の公務員の給与などの展示もあります。
※展示構成は正確を期するため、資料室の記載内容を引用しています。
写真:寺嶋 一馬 / 地図を見る
基準展示室には土器と瓦の型式と年代の基準となる資料が展示されています。瓦は飛鳥寺、川原寺、山田寺、平吉(ひきち)遺跡など17ケ所の軒丸瓦と軒平瓦あわせて50点以上が展示されています。
飛鳥時代の瓦は、蓮の花がモチーフとなった「蓮華文」の軒丸瓦が特徴で、考古学ではこの瓦の文様で遺物の形式分類や遺構・遺跡の年代を判断する材料としています。基準となっているのは発掘のほか文献でも建立、成立年代に異論がない寺院や遺跡で、遺物が発掘された際、これらと比較検討することで、遺構・遺跡の年代が特定できるというものです。
考古学では「蓮華文」の軒丸瓦は基礎基本で、それぞれの見分けがつかないと仕事になりません。ちょっと専門的な展示ですが、観察して違いをみつけてください。
写真:寺嶋 一馬 / 地図を見る
左京六条三坊って?藤原京の住所表示のようなものと思ってください。藤原宮跡資料室の敷地をふくむ、奈良文化財研究所都城発掘調査部の庁舎の敷地は、藤原京内にあります。
そのため、庁舎を建てる前に、発掘調査をおこない、京の道路跡や建物・塀・井戸などが確認され、庁舎建物はその発掘の成果にもとづき建設されています。
敷地内には、確認された遺構の主なものが表示されており、屋外展示として藤原宮跡から発見された「礎石」と「唐居敷(からいじき)」がならべて置かれています。なお、敷地内に植えてある樹木も、古代からある種類を選び景観に配慮されています。
資料室内だけではなく、屋外の展示もお忘れなく。
藤原宮跡資料室の周辺には、大官大寺、本薬師寺、山田寺などの廃寺、水落遺跡などの遺跡があり、それらは観光スポットのみならず、日本史にも登場する由緒ある場所です。
遺跡めぐりをしても、現地には礎石や跡をしめす案内看板しかないケースがほとんどで、そこから発掘された遺物の多くは、奈良文化財研究所に収蔵されています。その一部が藤原宮跡資料室で展示されており、発掘調査の様子もビデオで確認することができます。
逆に資料室で見学した遺物をたどって現地へ行けば、散歩のような遺跡めぐりが“巡検“のような知欲に満ちた旅へと変化するはずです。
藤原宮跡資料室は「藤原宮と京」に関する公開がされており、飛鳥地域における奈良文化財研究所の文献発掘調査等の成果は、「飛鳥資料館」で公開展示しています(こちらは有料)。あわせて観覧すれば、さらに知識を深めることもできますね。
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