仕事や転職などに役立てようと、自分の強みがわかる「ストレングスファインダー」を受検してみようかなと考えていませんか?
ストレングスファインダーは「さあ、才能(自分)に目覚めよう」という書籍が日本でベストセラーになって以来、一般的な自己分析ツールとして認知されるようになりました。
一方、分析結果を「へぇー」と納得するに留まる人がほとんどで、「目的に沿った活用ができていない」ために「仕事や転職などの日常場面で使いこなせている人はほとんどいない」のが現状です。
このページでは、転職コンサルタントとして数多くの自己分析をアドバイスしてきた知見と経験と、人材採用に関する性格テストに詳しい方々へのヒアリングをもとに、「ストレングスファインダー」を120%活用する方法をご紹介します。
このページを読めば、ストレングスファインダーについて理解が深まり、「才能(自分)の活かし方」「目的に沿った自己分析ツールの活用」がわかるでしょう。
はじめに. ストレングスファインダーとは?
ストレングスファインダーとは
アメリカのコンサルティング会社「Gallup社」が開発した「自身の強みを明らかにする」自己分析ツール
冒頭の通り、日本では「さあ、才能(自分)に目覚めよう」というタイトルの書籍が有名です。2001年に発売されて以来ベストセラーになり、一般的な自己分析手法として認知されるようになりました。
「誰もが強みと弱みの性格を持っている」「自分の弱みを改善するよりも、強みに意識を向け活かすことで最大の能力を発揮する」という考え方に基づいた自己分析ツールです。34種類の資質から、あなたに最も強く表れる5つの資質をピックアップする事ができます。
ただし、5つの資質は「あなたの強みになりうる資質=傾向」であり、「あなたの強み」となっている訳ではありません。日常から意識して行動する事で初めて、誰にも真似できない素晴らしい「強み」になる事を覚えておきましょう。
1. ストレングスファインダーを受検する前に必ず考えるべき2点とは
ストレングスファインダーを受検する前に、必ず以下の2つを考えましょう。さもないと、受検の効果は半減以下になってしまいますよ。
上記の通り、ストレングスファインダーは一般認知度が高く、社会人や学生を中心に毎年多くの方が受検されています。しかし残念ながら、多くの方は「大切な2点」を受検前に考えられていないため、その効果を十分に受けていないのです。
その証拠に、ストレングスファインダーを受検した方に「どうでしたか?」と質問しても、「当たっていました!」「◯◯の資質が一番でしたね。」という答えが返ってくるケースがほとんど。「強みを自覚して、◯◯の場面で活用できています!」という分析ツールの本来の目的に沿った答えが返ってくる事は極めて稀だと言えるでしょう。
なぜ、書籍がベストセラーにもなっているのに、本来の目的に沿った活用がされていないのでしょうか?
その理由を2点ご紹介しますので、ストレングスファインダーを受検する前に必ず考える事をおすすめします。
ストレングスファインダーを受検する前に、
- 必ず、受検の「目的」を考えよう
- 必ず、受検結果の「活用場面」を考えよう
1-1. 受検の「目的」を考える
初めに考えるべき事は、ストレングスファインダーの受検目的です。ストレングスファインダーの受検目的を聞くと、「周囲の人に薦められたから」「ブログで紹介されて面白そうだと感じたから」「カウンセリングや自己啓発セミナーで受検するよう言われたから」と、意外にも受け身な姿勢で、目的が無く受検される方が多くいます。
就職・仕事・転職など、目的は様々だと思います。もちろん、初めは上記のようなきっかけで問題ありませんが、ぜひ「何のために受検するか?」という目的を整理してから受検する事をおすすめします。
1-2. 受検結果の「活用場面」を考える
2つめに考えるべき事は、ストレングスファインダーの活用場面です。上記でお伝えした「受検目的」を考えるだけでは不十分で、しっかり活用場面もセットで考えるようにしましょう。
例えば、「仕事で今まで以上に活躍したい」事を目的にしても、ただ受検しただけではあなたの成長に繋がりません。「仕事で今まで以上に活躍したい」ために、「来月から始まるプロジェクトを、ストレングスファインダーで見えた自身の◯◯という強みを生かして引っ張っていきたい」と活用場面まで意識する事が大切です。
いかがでしょうか?
ぜひ、「目的」と「活用場面」を考えて、「自身の強みに意識を向け活かすことで最大の能力を発揮する」というストレングスファインダーの本来のゴールに向けて活用してくださいね。
2. 目的に沿った自己分析ツールを活用しよう
「転職」を目的にストレングスファインダーを受検したのですが、あまり活用できませんでした…。
1章では、ストレングスファインダーの受検前に「目的」「活用場面」を考える大切さをお伝えしました。というのも、実はストレングスファインダーは万能でなく、主に「仕事での成果」を目的とした活用を主として開発されており、就職や転職といった場面にはフィットしない結果も含まれているのです。
下記に「対象」「目的」「活用場面」に沿った「自己分析ツール」を整理しました。
対象 | 目的 | 活用場面 | 自己分析ツール |
社会人 | 仕事で成果を上げたい | 仕事業務
プロジェクトリーダー 管理職・組織長 |
ストレングスファインダー(Gallup社) |
社会人 | 人生を通じて「成功」を手に入れたい
他人との協働をうまく進めたい |
チームビルティング
カウンセリング |
エニアグラム |
転職活動者 | 転職に成功したい | 自己分析
転職面接 |
グッドポイント診断(リクナビNext) |
高校生・大学生 | 自分に合う仕事を考えたい | 進路決定
新卒就職活動 |
R-CAP(リアセック社) |
【ポイント】「対象」「目的」「活用場面」に沿った「自己分析ツール」を活用しよう
上記の通り、「社会人」「仕事」場面では大きな力となるストレングスファインダーですが、世の中には、より目的に沿った優れている自己分析ツールがあります。
特に転職・就職場面を目的にされている方は、グッドポイント診断・R-CAPといったツールを併せて受検する事をおすすめします。
2-1. ストレングスファインダー(Gallup社)
Ⅰ. 対象
主に社会人を対象としたツールです。
Ⅱ. 目的
「仕事で成果を上げたい」といった、主に今働いている仕事上での成功を目的として開発されています。
Ⅲ. 活用場面
「仕事業務」「プロジェクトリーダー」「管理職・組織長」などの仕事場面が主となります。
Ⅳ. 尺度や資質の特徴
上記の通り、Gallup社が開発した仕事場面などで発揮される強みを表しています。「運命思考」「最上志向」といったキャリアを積む中で変化しやすい資質も一部測定しているため、就職や転職場面には向いていないと言えるでしょう。
2-2. エニアグラム
Ⅰ. 対象
主に社会人を対象としたツールです。
Ⅱ. 目的
「人生を通じて成功を手に入れたい」「他人との協働をうまく進めたい」といった、主に長期スパンでの活動での成功および他者との協働を目的として開発されています。
Ⅲ. 活用場面
「チームビルティング」「カウンセリング」などの場面が主となります。
Ⅳ. 尺度や資質の特徴
エニアグラムは1960年代から、主にアメリカの心理学者が研究・体系化した心理学モデルです。他の自己分析ツールと違い、あなたの性格を9つのタイプに分類する事で、分かりやすく「あなたの強み・弱みなどの性格」「他者の強み・弱みなどの性格」を言語化する事ができます。
2-3. グッドポイント診断(リクナビNext)
Ⅰ. 対象
主に転職活動者を対象としたツールです。
Ⅱ. 目的
「転職に成功したい」といった、主に転職活動での内定獲得をサポートする事を目的として開発されています。
Ⅲ. 活用場面
「自己分析を行って職務経歴書を書く」「転職面接での自己PR」などの転職活動場面が主となります。
Ⅳ. 尺度や資質の特徴
転職業界最大手のリクルートが開発した転職活動で評価される強みを表しています。客観的に転職時の強みを把握するだけでなく、転職応募時に志望企業に送付し相互理解に活用する事も可能です。
他2つのツールと違い「無料」という点も大きな魅力です。転職活動中の方は、受検しない手は無いと言っても過言ではありません。
2-4. R-CAP(リアセック社)
Ⅰ. 対象
主に高校生・大学生を対象としたツールです。
Ⅱ. 目的
「自分に合う仕事を考えたい」といった、主に進路相談や就職先検討時に活用する事を目的として開発されています。
Ⅲ. 活用場面
「進路決定」「新卒就職活動」といった適職検討場面が主となります。
Ⅳ. 尺度や資質の特徴
リアセック社が販売しており、高校生〜大学生の間に考えるべき「適職診断」がアウトプットされます。併せて「職種カタログ」や自己分析を整理する「ワークブック」を活用する事も可能です。
授業で活用している高校も多くあり、大変信頼性の高いツールと言えるでしょう。
3. 自己分析ツールの受検方法
自分の目的に合った自己分析ツールが分かりました!受検方法を教えてもらえますか?
3章では自己分析ツールの受検方法についてお伝えします。特に「エニアグラム」「グッドポイント診断」は無料ですので、ぜひ受検される事をおすすめします。
3-1. ストレングスファインダー
Ⅰ. 書籍を購入し、記載されているアクセスコードを使用する
「さあ、才能(自分)に目覚めよう」を購入すると、書籍の巻末に綴込みがあり、中にはアクセスコードが記載されています。
こちらの「ストレングスファインダー公式ページ」にアクセスコードを入力すると受検スタートです。
受検終了後にはこちらのページからログインすると、より詳細な解説レポートを入手する事ができます。
ただし、アクセスコードは「1回」しか使えません。中古本を購入されると使用済みのアクセスコードを入手する事になるので、必ず新品の本を購入しましょう。
Ⅱ. 米国Gallup社サイトからアクセスコードを購入する
2つめは、Gallup社サイトから直接アクセスコードを購入する方法です。こちらのページから購入する事が可能です。
初めてストレングスファインダーを受検する方は、最も安価な「Top5の強みを知る」ツールを購入すれば十分です。2014年から日本語版もリリースされましたので、ぜひ受検してみてください。
3-2. エニアグラム
Ⅰ. ネットにある無料診断ツールを活用する
エニアグラムは著作権がある自己分析ツールではなく、インターネット上に様々な無料診断ツールが出回っています。ここでは、クエスト総合研究所というエニアグラムを中心に自己分析講座を開いているサイトをご紹介します。
こちらのサイトから無料で受検できますので、ぜひ試してみてください。
3-3. グッドポイント診断
Ⅰ. リクナビNextに登録し、マイページから受検する
グッドポイント診断はリクナビNextの自己分析ツールです。リクナビNEXT「グッドポイント診断」から会員登録またはログインし、マイページ内にあるグッドポイント診断から受検してください。登録の手間は3分程度、無料で受検できるので、やらない手は無いと言えます。
もし転職活動中の方であれば、リクナビNextから応募する際に、志望企業にグッドポイント診断結果を送付し、相互理解に活用する事も可能です。受検者の80%以上が送付しているようなので、ぜひ試してみてください。
3-4. R-CAP
Ⅰ. リアセック社サイトから購入する
R-CAPはリアセック社の自己分析ツールです。こちらのページにアクセスして、自身の対象に合ったサービスを選んで受検してください。高校や大学での一括受検用のグループ割引も存在します。教職員や大学キャリアセンターの方はぜひ活用してみる事をおすすめします。
さいごに
ストレングスファインダーについて、コツやノウハウをご紹介してきましたが、いかがでしたか?
お伝えした通り、ストレングスファインダーは認知度が高く優れた自己分析ツールですが、その効果を十分に発揮できていないと言えます。ポイントは、「目的と活用場面を考える」「目的に合った自己分析ツールを併せて受検する」の2点。これだけであなたの強みがわかり、日常で発揮できる可能性をぐっと高める事ができます。ぜひ、トライしてみる事をおすすめします!
あなたが最高の転職をできることを陰ながら祈っております。