避難訓練のはずが…停電300人一時缶詰め
3月26日開業の北海道新幹線(新青森−新函館北斗)で、JR北海道は9日未明、青函トンネル内で初めて新幹線車両「H5系」を使った乗客避難訓練を実施した。訓練中に送電の切り替えミスによる停電が発生し、車両が約20分にわたってトンネル内で立ち往生するトラブルがあった。JR北の島田修社長は「これを教訓として足りない部分を補いたい」と陳謝した。
訓練にはJRや警察、消防の約250人が参加した。新幹線車両が北海道・木古内駅から青森・奥津軽いまべつ駅に向かう際、青函トンネル内で火災検知器が作動したと想定。別の新幹線車両がトンネル内の竜飛定点(旧竜飛海底駅)まで救援に向かい、乗客役の社員が乗り換えた。
ところが、救援車両が乗客役を乗せて出発した直後、緊急停止し、車内はほぼ真っ暗に。停電は数分後に復旧したが、安全点検のため、車両は約20分間、停止した。車両には約60人の報道関係者を含め、約300人が乗っていたが、けが人はなかった。
JR北によると、青森方面から入ってきた救援車両が折り返し運転をする際、指令所の社員が送電の切り替えを行わなかったのが原因という。9日朝の在来線の運行に影響はなかった。【遠藤修平】