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43年前の2月1日、東京・高田馬場駅で、全盲の男性が線路に転落して亡く…
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43年前の2月1日、東京・高田馬場駅で、全盲の男性が線路に転落して亡くなった。「ホームは欄干のない橋」。事故後、こんな言葉が生まれ、視覚障害者は改善を強く訴えてきた。
だが悲劇は後を絶たない。全日本視覚障害者協議会によると、00年以降に少なくとも14人が死亡した。昨年3月も大阪の阪急線で男性が亡くなった。
被害は視覚障害者にとどまらない。国のまとめでは、14年度は227件の転落・接触事故が駅で起き、34人が死亡した。酔っていたり、スマートフォンの操作に気をとられたりしてホームから落ちる人も相次ぐ。
ホームの端を閉め切り、乗り降りの時だけ扉を開けるホームドアがあれば、転落や接触の恐れはまずない。ただ、昨年9月現在で設置は621駅と、全駅の6%に過ぎない。鉄道各社はもっと整備を急いでほしい。
最大の壁は1駅あたり数億~十数億円にのぼる設置費だ。国や自治体は一定割合の補助金を出す制度を用意しているが、それでも鉄道会社の腰は重い。
全日本視覚障害者協議会の山城完治(やましろかんじ)理事は「過去の転落事例をよく分析し、優先順位を考えてほしい」と求める。
視覚障害者の利用が多い▽ホームが狭く、カーブしている――。事故が起きる駅にはそれなりの理由がある。鉄道各社は駅ごとの危険度を評価し、危ない駅ほど早く、整備計画を立てていくべきだ。
電車によって扉の数が違うことや、ホームドアを開閉する分だけダイヤが延びるといった問題も、壁になっているようだ。
ただ、ドア部分をロープにし、扉数が違う電車に対応できるようにしたホームドアをJR西日本が試行するなど、新たな動きもある。鉄道各社が競って駅で採用すれば、技術開発がさらに進み、コストが下がることも期待できよう。
かつて、エレベーターも駅にほとんどなかった。鉄道各社は工事の難しさやコストを理由に、整備には消極的だった。
だが駅の段差解消を促す交通バリアフリー法が00年に施行されると、「優しくない鉄道では高齢化時代に選ばれない」との意識が強まった。各社は知恵を絞って駅にエレベーターを付けた。今はあって当たり前だ。
ホームドアは命を守る欄干だ。社会的な要請は高い。事故が減り、ダイヤの安定度が高まるという利益も大きいはずだ。
「難しい」と言う前に、どうすればホームドアを設置できるかを考える。そういう前向きな姿勢を鉄道各社に望みたい。
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