山本恭介
2016年2月9日05時06分
警察官が詐欺の犯人を装ってお年寄りが住む家に電話をかけ、注意を呼びかける訓練が8日、愛知県警西枇杷島署で始まった。名付けて「だますふり作戦」。県内では初めての試みで、事前に電話があることを知らせていても、だまされる人も。同署は「訓練を通じて、抵抗力を高めてほしい」と呼びかける。
「ゴホゴホ……。オレオレ、風邪を引いちゃってさ。今、名古屋駅にいるんだけど、会社のかばんなくしちゃって。助けてよ」
訓練は、同県の清須市防犯協会などに事前に説明し、希望した約300人に順次、電話をかけていく仕組み。この日、名簿を元に、犯人役の署員が高齢者宅に電話していくと、約10世帯のうち、1世帯がだまされた。
多くの高齢者は途中で電話を切ったり、「息子は海外にいる」と説明したりしていた。清須市の女性(70)は息子だと思い込み、「年金暮らしでお金がないけど、銀行に行けばある」と回答。すぐに署員は「訓練」と明かした。この女性は訓練があることは知っていたが「突然の電話にドキッとしてしまった」。息子の名前を聞いて信じてしまったという。「ニュースで被害は知っていたし、声も少し違うと感じたのに」と振り返った。
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