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歯車と聞くと悪いイメージがあるかも知れませんが、歯車とは「与えられた業務を着実にこなす社員」のことを表します。業務を着実にこなすわけですから与えられた役割を忠実に果たす社員ともいえます。組織のパフォーマンスを考える場合、考えて行動する社員より歯車に徹することができる社員のほうが汎用性があり有り難いことが多いのも事実でしょう。

ところが社内の評価は、歯車には寛容ではありません。指示待ち社員、自ら率先して動かない社員という烙印を押されがちな印象を与えます。しかし、上司の忠実な歯車であり指示どおりに的確に動けることは、結果的には高評価を得る近道になり得るのです。

社員が成長するためには鍛錬が必要です。鍛錬とは実務経験を積むことです。実務経験を積むには社内に受け継がれている知識や経験を吸収することが肝要です。吸収するには、教えられたとおり、言われたとおりに歯車の役割を遂行しなくてはいけまっせん。歯車の役割や経験を踏まえてはじめて応用力を身に着けることができるのです。

ところが昨今の人事マネジメントは、異の尊重、ダイバーシティ、他とは異なり個性を出すことに主眼が置かれてきました。そのため、表面的な個性に注目が集まり本質を見失っています。歯車としての経験を積み重ねることをしなければ、個性を身に着けることはできません。

次に、歯車になる際に大切なことがあります。歯車になる上司と良好な人間関係を築くために必要な作業が相手の社内史を知ることです。相手の価値観や社内史を知ることで、自分との共通項を探したり、相手の思考パターンを知ることができます。

例えば上司が部長で転職歴があるなら、どういう経緯で入社し現在に至っているのかを調べなくてはいけません。何に苦労をしてきたのか、またどのような成果を収めてきたのか、どのような失敗をしたのか、上司は誰でいまは何をしているのか等、社内史を知ることです。

的確な情報をつかむことで上司の評価ポイントや判断基準を把握することが容易になります。部下が上司に感じる不満の一つ「ウチの上司は何を考えているのか分からない」は払拭することができることでしょう。

そして貴方は明確に歯車になることでどのような果実を手に入れたいのかイメージすることです。理由は社内評価は貴方を成長させるための大切な指標だからです。良い評価を得るための情報収集は会社生活において決して無駄にはなりません。

尾藤克之
経営コンサルタント

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