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 国連の独立調査委員会は8日、内戦中のシリアでの人権侵害に関する最新の報告書を公表した。アサド政権が拘束した人々を組織的に拷問したり処刑したりしているとし、「人道に対する罪」や「戦争犯罪」に該当する可能性を指摘した。

 報告書はまた、過激派組織「イスラム国」(IS)による拷問や処刑についても同様の可能性に言及したほか、反体制派武装組織による人権侵害についても触れている。

 報告書によると、アサド政権側の拘置施設で2014年、拘束中の男性が性器を切り刻まれて出血多量で3日後に死亡するケースが発生。11年には、政権に対する抗議活動に参加して拘束された13歳の少年が、切断された遺体の状態で遺族に返還された例もあったという。また強姦(ごうかん)や性的暴行も横行しているという。