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動画「「AppBankは暴力団と関係がある」という事実はありません。」を文字起こしした

ビジネス

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 アプリ紹介メディアを中心に拡大し、パズドラの生放送で急成長を遂げ、2015年10月に東証マザーズに上場したAppBank株式会社。しかし、その成長の過程で、元取締役による横領があったことが判明しました。

 →社内調査委員会からの調査報告書受領及び当社の対応についてのお知らせ(AppBank株式会社)

 そして、その横領された資金が、暴力団に提供されたのではないかという指摘が、ブロガーの山本一郎氏によって指摘されています。

 →AppBank社、元役員の横領金の流出先に「暴力団関係者」の疑い 調査報告書に記述せず(山本一郎 - 個人 - Yahoo!ニュース)

 これに対し、AppBank株式会社取締役のマックスむらいこと村井智建氏が反論動画を投稿しました。

 しかし、長めの動画である上に、経緯の説明が省かれていて、細かい内容が分かりにくいので、文字起こしをしてみました。著作権法で認められている引用の範囲を超えているのですが、IRに近い内容であり、無料公開の動画で、かつ他の動画では入れている広告を入れていないことから、著作権法の例外にあたるコンテンツと判断しています。問題がありましたらお伝えいただければ、対応します。

▼動画「「AppBankは暴力団と関係がある」という事実はありません。」の文字起こし

村井:みなさまこんにちは、マックスむらいです。

 このたびは私を応援してくれているみなさまへ向けて、週末からネットで書かれている件について説明をさせていただきます。

 土曜日にもTwitterで発言させていただきましたが、AppBankは、私は、暴力団と関係を持ったことが一切ありません。ここにはっきりと断言させていただきます。

 これからこの動画でいくつかの話をするにあたって、説明しないといけないことがあります。

 私には2つの立場があります。1つ目はAppBankの創業者であり、経営者として、会社、そして従業員、会社を支えてくれるお客さまに対して誠実に仕事するという立場。これは意味としては村井智建としての立場です。2つ目はYouTubeやniconicoで演者として、また時に記事や日記を書くライターとして、AppBankを代表する人間であるという立場。これは先ほどとの対比でいいますと、マックスむらいとしての立場です。

 1つ目の立場、村井智建の立場から言いますと、本来は重要な発表はIRを通じておこなっていくべきと認識しております。「そこは正式なIRでやれ」と私が大好きな某ブログで週末言われましたが、その通りだと考えています。

 →そこは正式なIRでやれ、AppBankのマックスむらい「AppBankと私は暴力団とは一切関係ありません。隠蔽の事実もありません」(市況かぶ全力2階建)

 今回、私自身の立場なども含め、週末に経営陣と話し合ったのですが、この動画はマックスむらいの立場からお話しできる内容を話させていただきたいと思っています。

 もちろんマックスむらいという立場から話をすることによって、今回起こった事態をあいまいにする気は一切ありません。村井智建としての経営者としての対応、すなわち会社としての毅然とした対応に関しては事件の発覚から粛々と進めさせております。そして発表できる状態になれば、いち早くIRで発表をさせていただきます。

 今回、動画でこのように発表する理由はたったひとつです。これ以上、こじつけや印象操作で私を、AppBankを、AppBankのメンバーを、ファンを、応援してくれる人たちを傷つけられたくないからです。逆に、私が動画問わず、Twitterなども含め、これまで発表してこなかった理由のひとつです。

 私を普段見てくれている、応援してくれているみなさまに対して、事実ではない風評によって傷つけられている状況、それを私自身が何らか発言することによって、インターネットにおける無責任で瑣末な情報を不用意に広げる必要がないと考えていたからです。

 今回、一線を越えられたと判断いたしました。なのでこの動画を撮っています。2016年1月28日、「社内調査委員会からの調査報告書受領及び当社の対応についてのお知らせ」という名前の資料をAppBankの会社ホームページにて開示いたしました。これは先般発表させていただいた、弊社における横領事件に関しての調査資料です。

 こちらの調査に関してですが、当たり前ですが、私たちが自分たちで自分たちに都合の良い調査をしたものではありません。そもそもこの調査は外部の不正調査を行う専門機関に依頼を行い、複数の法律の専門家なども立会いのもとで行われたものです。もちろん私自身も調査対象として、調査を受けていますし、事件の解決のために私の知っている情報のすべてを話しました。調査報告書には会社に対する改善提言もまとめていただき、今後弊社としてはそれに従い、より良い組織にしていくという強い意志を持っています。

 今回、山本一郎氏はブログにて、ブログのタイトル「AppBank社、元役員の横領金の流出先に「暴力団関係者」の疑い 調査報告書に記述せず」、本文から一段落引用します。「もっとも大事な点として、暴力団関係者にAppBank社の資金が流れていたのですから、木村さんからきちんと事情を聞き、どこの組の誰さんなのか、特定しなければいけません。何より、横領と言う不祥事の調査報告書として、一番大事な恐喝からの暴力団への利益提供をきちんと記載しないというのは、腑に落ちないですね。本来ならば、関係者の処分や刑事告訴の勧告などよりも、まずは暴力団への利益供与があったことを真摯に捉え、AppBank社として対策を発表し、解決しなければならないでしょう」。ブログの引用を終わります。

 今日、さらにTwitterで「犯罪組織にAppBankの金が流れたのは確定です」と何度も断言しています。

 内部調査資料で書かれた木村(朋弥・AppBank社元取締役)の資金使途の恐喝という項目に対して、彼がブログでそう書いている根拠を要約すると、道ですれ違った知らない人に脅されてお金を払った、これ木村の話です。数回に分けてお金を払った、顔は覚えていない、連絡先も知らない、病気のおふくろさんについて脅された、おふくろさんに万が一のことがあったら、ということでお金を払ったという内容です。

 調査委員会は横領した資金使途として木村本人から聞き取り調査した内容を記載しています。その中で今話したこの部分については、恐喝というように調査資料に記載されました。なお調査委員会、不正調査の専門家、弁護士の先生方はこの話の信憑性についてきわめて乏しく、裁判でも一切信用されるものでもない信憑性のない情報であるという結論を出しています。

 この話は現時点では、確認のしようのない話です。何千万円というお金を複数回にわたって払っているにも関わらず、「顔も分からない」「連絡先も知らない」と木村が言っているのですから。

 また、調査委員会は調査の過程で、木村の歌舞伎町での連日連夜の豪遊を知っています。要するにこの話は本当かどうか分からない、言い逃れのための発言ではないかという話も出ています。また、暴力団という風には木村本人も調査の段階では言っておらず、暴力団にお金が流れているという話も出ていません。

 現在は調査委員会の調査を終え、次のステージに移っています。それこそ会社としての発表事項、IRの内容になっていきます。

 で、ここで話を戻します。山本一郎氏がブログを書くきっかけとなった、そのもととなった彼が手に入れた資料というものが先ほど私が話をした内容の書かれた元ファイル、木村の上申書です。

 実はこれら上申書の内容は、内部調査の発表資料には含まれていません。この上申書は私も読んだことがない資料で、調査委員会に参加した弁護士事務所の関係者とAppBankの社内でいうと、廣瀬(光伸・AppBank社CFO)という人間しか持っていない資料でした。本来であれば、今後の裁判で使われる資料です。今回、山本一郎氏のブログで書かれたことによって、私もそれを初めて見ました。

 そんな表に出るはずのない上申書を彼が持っている理由はただひとつです。山本一郎氏が木村氏から直接受け取ったということしか考えられません。本件に関して、この週末に山本一郎氏の下部組織の面々からAppBankの過去の退職者宛てに、「社内情報を持っていないか」「木村の連絡先を知らないか」「他の退職者の連絡先を知らないか」などなど連絡が回っているということを報告を受けています。闇雲にかつ執拗にアップバンクを叩くための情報を探しているわけです。

 ここで話を少し変えますが、山本一郎氏を信奉する人や彼の情報をありがたがる人たち、今回の件に関して「山本一郎氏にはこれらを書くメリットがない」「山本一郎氏は正義のために世の中をただすためにやっているのだ。だから山本一郎氏は正しい、嘘をついているはずがない」という風に語っています。

 この件、そんな単純な話なわけがありません。彼にはAppBankをスキャンダラスに叩く理由が、メリットがあります。今回、この動画では分かりやすい理由をひとつだけ言います。

 彼はブログで稼いでいて、有料メルマガで稼いでいて、コメンテーターとしてテレビなどに出ています。彼がそういう記事を書くこと自体がまず彼の収入に直結しています。これが彼のメリットです。ほかにもAppBankを叩く理由はあるのですが、この動画で伝えたかった趣旨とはずれるので、この動画ではここまでにしたいと思います。

 私はAppBankを、株主を、従業員を、ファンのみなさまを、支えてくれる、応援してくれるみなさまを守るために、彼が書いたブログを瑣末な情報だと無視し続けるようにこれまで考えてきました。ですが、今回、無視し続けることができない状況まできてしまいました。こじつけと印象操作によって、これまでいいようにやられてきましたが、もうその流れには釘を刺したいと思います。

 彼が今回、あのような記事を書いたのは正義のためではありません。それが彼のビジネスであり、彼のAppBankへのうらみをはらすための手段です。今後、あまりにも不当な指摘や攻撃的な発言が続くのであれば、訴えることも視野に入れています。法的な措置は積極的にとっていく考えです。

 山本一郎氏がAppBankを叩く理由、AppBankが過去に彼から受けたさまざまな攻撃、数々の印象操作、虚偽情報の拡散、私がインターネット上の瑣末な情報だということで、めくじらを立てずに我慢してきた無視してきた多くの事柄に対して、私たちなりに明らかにしていく準備があります。

 以上、このたびは私を応援してくれているみなさまへ向けて、週末からネットで書かれている件について説明をさせていただきました。

▼一緒に仕事をしていた2人が対立

 AppBankは動画と同時に、疑惑を否定するリリースも発表。

 →弊社に関する一部メディアの記事について(AppBank株式会社)

 これに対して、山本氏も公開質問状と題した記事を公開しています。

 →AppBank社への公開質問状(暴力団がらみ)(山本一郎 - 個人 - Yahoo!ニュース)

 それにしても、6年前のCEDEC2010で「新興ゲームジャンルに対するコンテンツ投資の実情」と題した講演を一緒に行った2人が対立している様子をみると、いろいろ思うところがあります。

 →【CEDEC 2010】AppBank村井氏と切込隊長が語る新興ゲームジャンルにおける投資(インサイド)

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 動画で村井さんは、山本さんがAppBankを叩く理由のひとつをビジネスと言っているのですが、ここで一緒に仕事をしていた時に何らかのトラブルがあったことがそのほかの理由になっているんじゃないかなと思ったりします。個人的には時々山本さんが対立している川上量生ドワンゴ会長にダメージを与えたいという意図もあって、ニコニコ生放送で人気のAppBankにターゲットを絞っているような気もしますが。

 なお筆者はどういう関係で書いているのかというと、AppBankの株主権は持っていますが(株主総会に出るためだけに権利確定日だけ保有)、現在、株式は持っていないという状況。ただ、小さいながらもメディアを運営している身として、その動向には常に注目しています。いろいろ問題はあるもののメディアの運営方法として見習うべき点もあると思っているので、こうしたゴタゴタがあるのは悲しいですね。

 →ニコニコユーザーチャンネルの拡大とAppBank・マックスむらい部の衰退

 3月に予定されている株主総会には、参加してレポートもあげる予定です(そこまで会社が存在していればですが)。