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 原発事故後、全町避難が続く福島県の浪江、双葉、大熊、富岡の4町は、昨年10月の国勢調査速報で住民がゼロだった。だが、東京電力と環境省、町に取材し、集計すると、1日に計約1万8千人が働いていることが分かる。

 仕事は、約7千人が携わる東電福島第一原発での廃炉・汚染水対策のほか、除染や廃棄物処理などだ。

 沿岸部を南北に貫く国道6号は平日の朝晩、通勤の車で混雑する。4日夕方、富岡町で観察すると、いわき市方面へ行く上り車線だけ、通行量が極端に多かった(長時間露光で撮影)。

 翌朝は、夜明け前から逆の車線が混み合っていた。乗っているのは、ほとんどが男性だった。乗用車に交じって、フロントガラスに福島第一を意味する「1F直行」、「除染作業」などと表示のあるバスや、資材を積んだトラックが、無人の町を行き来していた。(福留庸友)