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52歳女性刺され死亡…娘の元夫が逃走

大内真弓さんが刺殺された住宅=札幌市豊平区福住で2016年2月8日午後2時18分、安達恒太郎撮影

 7日午後7時10分ごろ、札幌市豊平区福住2の10の住宅に住むアルバイト、大内由布子(ゆうこ)さん(23)から、「元夫が母を刺した」と近所の住人を通じて110番があった。由布子さんの母真弓さん(52)が胸など数カ所を刃物で刺されて1階居間で倒れており、8日午後に死亡が確認された。由布子さんも頭を殴られて全治数カ月の重傷を負い、元夫は逃走した。

    殺人未遂容疑で手配

     北海道警は由布子さんの元夫で同区美園4の5の職業不詳、白川秀一(しゅういち)容疑者(30)を由布子さんへの殺人未遂容疑で全国に指名手配し、行方を追っている。

     捜査関係者によると、居間のテーブルに包丁が放置されており、事件に使われた可能性もあるとみている。事件後、由布子さん宅から長男(1)が行方不明となったが、8日午前2時ごろに白川容疑者の実母が暮らす美幌町の実家で道警が保護した。道警は、白川容疑者が連れ去ったとみて調べている。

    道警にDV被害相談

     道警によると、由布子さんは昨年1月、「夫が離婚に応じない。過去にはDV(ドメスティックバイオレンス)を受けていた」と札幌豊平署に相談。その後、離婚が成立したが、同6月には白川容疑者が由布子さん宅に押しかける騒ぎがあった。今月5日には「覚えてろよ」という内容のメールが由布子さんの携帯電話に届いたため、同署は7日、白川容疑者に「これ以上やるとストーカーになる」と電話で注意。その時は応じる様子を見せていたというが、同日夜に事件は発生した。

     現場は市営地下鉄東豊線福住駅から南西へ約2・5キロの閑静な住宅街。白川容疑者は身長約165センチの中肉で髪は茶色。事件時にはチェックのシャツを着ていて、黒のワンボックスカーで由布子さん宅を訪れたという。札幌豊平署(011・813・0110)が目撃情報などの提供を呼びかけている。【袴田貴行、山下智恵、日下部元美】

    近隣住民に不安

     札幌市豊平区で母娘が娘の元夫に襲われたとみられる事件は、近隣の住民や学校関係者に大きな不安を与えている。事件直後に助けを求められた近所の80代の女性によると、由布子さんは裸足で頭から血を流し、「母が刺された。子供も中にいる」と取り乱した様子だったという。

     道警によると、由布子さんは離婚後も白川容疑者と会ったり連絡を取ったりしていて、昨年6月に騒ぎがあった時には「電話を無視していたら家に押しかけてきて大声を出した」と札幌豊平署に説明。今月5日に白川容疑者から脅迫のようなメッセージが届いた際には「電話がかかってきたので、電話もメールも無視していたら(メールが)届いた」と説明したという。

     白川容疑者と同じマンションに住む男性(76)によると、昨年12月ごろ、白川容疑者が駐車場の駐車禁止のスペースを巡り、管理会社の社長と口論になったという。男性は「切れやすい性格のように感じた」と振り返る。【安達恒太郎、日下部元美、三沢邦彦】

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