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予想以上…騒音に悲鳴 初調査 住宅地で基準超

マンションや住宅が並ぶ街を走る北陸新幹線=27日、金沢市内で

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「夜11時 寝られぬ」「体にこたえる」

 夢にまでみた超特急はうるさかった−。北陸新幹線の騒音について環境省が試みた初めての調査で、長野−金沢間の沿線ルート地点の42%で環境基準が未達成だった。中でも石川、富山は未達成の割合が高く、住民から悲鳴も上がっている。(日下部弘太、高橋淳、杉原雄介、豊田直也)

 「うるさいなんてもんじゃない。夜十一時ごろまでやろ。寝れんわいね」。基準値より十デシベル以上高い八一デシベルが記録された石川県津幡町明神。高架から五十メートルほど離れて住む男性(87)が、いら立った表情で打ち明けた。妻(84)は「まさかこんなにやかましいとは思わなかった。一生、止めれんもんね」と弱々しく笑った。

 別の高架橋から約五十メートルほどで暮らす津幡町田屋の男性(70)は「前はウグイスの鳴き声を聞いて朝ご飯を食べたもんだが、今は全然聞こえないね」とため息。深夜に起こされることもしばしばという。「新幹線といっても騒音だけで、何のメリットもない。我慢しなくちゃならんとは思うけど、後の代にも続いていくことなので、すぐに改善してもらいたい」と話した。

 車の音もあまり聞こえない田園地帯に住む津幡町倉見の農業男性(79)は、新幹線の騒音は自宅の窓を開けると気になる。「今ここでああだこうだ言ったって仕方ない。できるものなら防音壁をしっかり造るということでもしてほしいけど」とつぶやいた。

 同じく基準を満たしていなかった富山市水橋田伏の堀忠一さん(75)方は、高架から十五メートルほど。「夜は特にうるさく、寝られないことがある。上下線が交差すると『ブオー』と大きな音がして体にこたえる」とこぼし、「家の窓を二重にする補助金を出すなど、対策をしっかり取ってほしい」と訴えた。

 石川県内では全調査地点の中でずばぬけて高かった津幡町明神をはじめ、住宅地十四地点のうち七地点で基準を超えた。金沢市内の三地点は駅より西の回送区間で、客を乗せる区間の宅地は六割超で基準を超過したことになる。特に津幡町は五地点のうち四地点で超え、一地点が基準ちょうどの七〇デシベルだった。

 富山県内も五十地点のうち二十二地点で基準を満たさなかった。県には「音がうるさい」「走行時に振動がある」といった苦情が沿線住民から寄せられている。県環境保全課は「県民は富山の達成率56%を低いと感じると思う」と受け止める。

 線路を建設した鉄道建設・運輸施設整備支援機構の担当者は「結果として基準を達成できない所ができてしまった」と釈明。防音壁のかさ上げや吸音板の設置といった対策を講じ、それでも困難な地域は家屋の防音工事などに助成するという。

 北陸新幹線の騒音調査 環境基本法に基づき、環境省が沿線各県に委託して実施。金沢−長野間の住宅地81地点、商工業地8地点で、線路から25メートル離れた場所で測定した。住宅地は70デシベル以下、商工業地は75デシベル以下という基準を開業時に達成するとの努力義務がある。今回の調査では商工業地はすべてクリアしたが、住宅地は37地点で基準値の70デシベルを超えた。騒音調査会社などによると、70デシベルは「かなり大きな声を出さないと会話できない」ほどの騒音。例えば騒がしい街頭など。80デシベルは「うるさくて我慢できない」とされ、布団たたきを間近で聞くような大きさの音。

 

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