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「事実上の弾道ミサイル」という表現の陥し穴

北朝鮮「ミサイル発射」と一斉に報じた2016年2月8日付朝刊(在京6紙)
北朝鮮「ミサイル発射」と一斉に報じた2016年2月8日付朝刊(在京6紙)
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小川 和久, 2016年2月8日

北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」が実施されました。当初、8日から25日の間に打ち上げる予定を国際機関に通告していましたが、6日になって7日から14日に繰り上げると予定を変更したものですが、予告後すぐに打ち上げに踏み切ったものです。

その北朝鮮による「人工衛星打ち上げ」については様々な報道が出ていますが、少し整理しておく必要があると思います。

第1は、あの「人工衛星打ち上げ」用のロケットが、そのまま大陸間弾道ミサイル(ICBM)として目標を直撃できるかのような報道です。「『人工衛星』と称する弾道ミサイル」(朝日新聞)、「事実上の弾道ミサイル」(テレビ朝日)というのが、マスコミの典型的な表現です。

認識としても、表現としても正しいのでしょうか。

実を言えば、かりに米国本土まで届くだけの射程距離を備え、それなりの核弾頭を搭載できていたとしても、それだけでは大陸間弾道ミサイルとしての能力を備えたことにならないことを押さえておく必要があるのです。まして、2012年12月の時のように宇宙ロケット「銀河3号」を使って「光明星3号2号機」(今回は「光明星4号機」と発表)という地球観測衛星を軌道に投入することになれば、「事実上の弾道ミサイル」という表現は、先走って危機感を煽り立てている点で正しいとはいえないのです。

もちろん、大陸間弾道ミサイルと宇宙ロケットには共用性があり、その用途に合った発射の仕方をすれば、そのどちらにも使えることは間違いありません。なぜ、あの「人工衛星打ち上げ」用のロケットが「事実上の弾道ミサイル」ではないのか。それは、北朝鮮は大陸間弾道ミサイルが大気圏に再突入するときの高熱に耐える再突入体を備えていないと考えられるからです。

大陸間弾道ミサイルは最高高度1000キロ以上の宇宙空間を弾道飛行したあと、マッハ20(音速の20倍)以上の超高速で大気圏に再突入してきます。

再突入体は、そのときに生じる1500度以上の高熱に耐えて核弾頭を保護するカバーのような役割を果たしますが、その再突入体がなければ弾道ミサイルの弾頭は燃え尽きるだけなのです。

その大陸間弾道ミサイル用の再突入体は、北朝鮮にミサイル技術を提供してきたとされるイランも保有していないことは明らかです。

従って、北朝鮮も大陸間弾道ミサイル用の再突入体を手にしていないと考えるべきで、今回の「人工衛星打ち上げ」用ロケットを使って、奇襲的に米国などを攻撃することはあり得ないと思うのが自然なのです。

ちなみに、日本列島を標的にしているとしか考えられない北朝鮮のノドン(射程1300キロの準中距離弾道ミサイル)は200~300基が実戦配備されているとみられ、海上自衛隊のSM3(イージス艦搭載)と航空自衛隊のパトリオットPAC3に対する破壊措置命令は、事故による落下物に備えると同時に、「衛星打ち上げ」騒ぎに乗じて北朝鮮が奇襲的にノドンを発射してくる事態への備えでもあったわけです。

第2は、いかに北朝鮮といえども、あの巨大なロケット、それも1発か2発しかない虎の子を大陸間弾道ミサイルとして使おうとするはずがない、という点です。

地下サイロに収納するにしても大きすぎ、まして居場所を探知されにくい移動式発射装置に搭載するという世界の軍事常識とも矛盾する「人工衛星打ち上げ」用ロケットの巨大さです。

そこから導き出される分析は、北朝鮮は実際に偵察衛星などの人工衛星の保有を目指して巨大宇宙ロケットの打ち上げ実績を重ねつつ、同時に大陸間弾道ミサイルに必要な技術を習得しようとしているのではないか、というものです。

現に北朝鮮はKN-08という大陸間弾道ミサイルの開発を進めているとみられます。

3段式の液体燃料型と思われるKN-08は、2012年4月15日の軍事パレードに登場したときは世界の軍事専門家から「張りぼて」と指摘された代物ですが、その後は開発が進み、試射が確認されていないものの、弾頭の重さによっては、射程距離は6000~9000キロに達するともみられています。

そのように考えれば、巨大な宇宙ロケットを使って行われる北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」は、そのKN-08の完成度を高め、それこそ米国東海岸に達する射程距離を備えさせ、さらに再突入体を独自に開発するための技術の向上といった戦略的目的を持った実験であることを肝に銘じておく必要があるでしょう。

今回の「人工衛星打ち上げ」で専門家が注目している点のひとつは、発射時期の変更を予告した翌日に発射が行われた点です。

液体燃料は推進力に優れている一方で燃料注入に一定の時間を要するなど、世界の弾道ミサイルの主流となっている固体燃料に比べて即応性に難があるとされてきました。その液体燃料を使った宇宙ロケットを予告翌日に発射してみせることは、開発中のKN-08や実戦配備されているムスダン(射程2000~4000キロ)、ノドンについても即応能力が高められていることを示す指標となり、そのように見せかける「演出」でない限り、北朝鮮のミサイル戦力は侮りがたいレベルに達しつつあるといえるのです。

日本としては、そうした北朝鮮の核兵器と弾道ミサイルの開発の目標が「核保有国」としての国際的な地位の獲得にあり、その過程での米国との二国間交渉と平和協定の締結にあることを踏まえ、いたずらに怯えたり空騒ぎすることなく、着実に防衛力整備を進め、拉致問題解決に向けた北朝鮮との外交を展開しなければならないと思います。

(この記事は、会員制メールマガジン『NEWSを疑え!』第465号(2016年2月8日特別号)より了承を得て一部転載しました。)

  • (初稿:2016年2月8日 17:18)
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小川 和久

執筆者について
小川 和久

静岡県立大学特任教授、国際変動研究所理事長。

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