ハーバード大学が75年間の月日をかけ、追求した「人間の幸福」とは。
名門・ハーバード大学は1938年から75年間にわたり「最終的に人が幸せになるには何が重要なのか」を調べ続けている。今回、この研究で判明した「確かな事実」が公開されているので、紹介したい。 75年間の時間をかけ、導き出した「人生の幸福・幸せ」のシンプルな答え研究チームを率いる第4代目リーダー・ロバート・ウォルディンガーさんは、TED Talksにて研究から得た「幸福になるための重要な3つの教訓」を語っています。 ウォルディンガーさんの最初の問いは「人が健康で幸せな人生を送るためには何が重要なのでしょうか?」というもの。 研究の中でミレニアル世代(1980~2000年頃に生まれた若者)に、この質問を行ったところ8割以上が「リッチ、お金持ちになること」、5割が「有名な存在になること」と回答したと報告。 そして現代の人々は「一生懸命働くこと」「目標や与えられた物事を達成すること」を学ばされており、自然と「人生の幸せ」はその先にあると思い込んでいます。
また、ウォルディンガー氏は人間の性質上「何が人を幸せにしたのか」を人から調べることは不可能だと語っています。しかし同氏は「何が最終的に、人を幸せにするのか」を調べることは可能だと指摘。 ハーバード大学の研究チームは75年前から「人生で何が起こっているのか」を724人の男性を対象に2年に一度、聞き取ることを始めたと話しています。 そして75年の今、対象者724人の内60人が今も生き残っており、90歳の年齢に達しているとのこと。今後は彼らの子孫2000人以上を対象とした研究が引き続きおこなわれていく。 もともと、75年前に開始されたこの研究は、対象者を2つのグループに分け行われてきました。一つは第二次世界大戦を生き残り帰ってきた人々で、ハーバード大学の卒業生たちです。
もう一つのグループは貧困地域となっていたボストンに住む貧しい少年たち。これまでの研究では、それら対象者への面談・健康診断・両親とも面談を重ね、少年たちは大きくなると、その子供や奥さんとの面談項目等も研究対象に追加していったそうです。 そして、75年間に及ぶ膨大な研究の末、研究者たちは「最終的に人が幸せになるには何が重要なのか」に関する一定の答えを導き出します。 「よい人間関係は人の身体を健康にし、精神に幸福を与える」研究者たちが導き出した答えは「よい人間関係は人を健康にし、幸福にもする」というものでした。また、研究チームは人が人間関係を築きあげる時に必要な「3つの教訓」が存在すると報告しています。 その3つの教訓は『社会的なつながりは人間にとって重要、孤独は人を殺してしまう』『友人の数や関係性でなく、関係の質が何よりも大切』『良い人間関係は人の身体を守り、脳をも守ってくれる』というもの。この詳細は次の通りです。 1、社会的なつながりは人間にとって重要、孤独は人を殺してしまう家族や友人などの繫がりを多く持つ人は、繫がりが少ない人よりも幸福を感じやすく、健康的で長生きする傾向にある事が判明します。 そして「孤独である」と感じやすい人は幸福を感じにくい傾向に陥り、健康面においても歳を重ねるごとに低下傾向となり、脳機能も低下しやすいことが判明します。つまり「孤独は人にとって有害」だということ。 また、これらの共通点は孤独を感じやすい人の寿命は短命になりやすいとのこと。研究チームは5人に1人が「孤独を感じる」と答える今のアメリカの若者に対し警告を発しています。 2、友人の数や関係性でなく、関係の質が何よりも大切喧嘩や人との衝突が多い人は、不健康になりやすい傾向となる。離婚や喧嘩の多い結婚生活は後の健康被害に大きくつながっていると言います。 しかし、よい人間関係は人々の健康を肉体面から支えることも判明しています。研究の中で、50代の時に「人間関係に満足している」と答えた人は、80代になった時に健康である割合が高かったという。 男女のパートナーの関係に関しては、良い関係を築くことができなかった人は加齢とともに、肉体に痛みを感じやすくなる傾向にある事も分かっており、研究チームは「よい人間関係は、人が苦境に陥った際のよい薬となる」と述べる。 3、良い人間関係は人の身体を守り、脳をも守ってくれる80代になって記憶力に優れていた人は「信頼する相手が存在しており、親密な関係を持っている人が存在する」という共通点がある事が明らかになります。 しかし、「信頼する人がいない、いなかった人」は加齢とともに記憶力の低下が目立ち、比較的早い段階で記憶力の低下が起こる傾向となる。また、この結果に関しては相手との喧嘩の数が多くとも「相手への信頼」がある限り、記憶力の低下が防げるということも判明します。
研究チームは、これらの結果に対して、なぜ人はこの「良い人間関係を築くことが、幸福を得れる」というシンプルな結論を自然のままに理解することができないのかに関し、その答えも導き出しています。 人はもともと「簡単な解決策を好む」生き物です。しかし、人間関係はとても複雑で、生まれた時からある「人間関係」というものに人は強い興味を示しません。また「人間関係」は生まれた時から死を迎える時まで続き、終わりがないのです。 人にとって「人間関係を築く」という物事が、あまりに近すぎるため、人々は「良き人間関係を築くことが幸福になれる」と気付きにくく、感じることができ難いと述べています。 ▲ Robert Waldinger | TED Talks また、ウォルディンガーさんは、75年にわたる研究中で「最も幸福だったと言える1人」の特徴に関して、その人は「仕事でもプライベートでも出会った人を友達にし、その友達たちと遊んでいる人」だったと述べています。 現代ではモノや名声、お金や地位が「人生の幸福には重要」だと考えている人は多く、そのような考えを抱く社会であると言えるのかもしれません。 しかし、75年の膨大な時間をかけ調べ続けてきた「人が幸福になるには何が重要か」という研究の中で数多くの仮説が浮上し、その中で証明された確かな1つの答えは『家族や友人・コミュニティと、よき関係を築くこと』という、とてもシンプルなものでした。 脳の中に「幸福感」を生む場所が存在、面積の大きい人ほどポジティブ思考脳内に存在する「幸福を生み出す場所」が明らかに。 |
人生の幸福に必要なことは「家族や友人、豊かな人間関係」を築くこと:75年の答え
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