急拡大するチケット転売サービスの光と影

定価5万円が21万円、ダフ屋行為も

大勢のファンで盛り上がるコンサート会場。音楽業界ではチケットの転売が問題になっている(昨年12月、東京都内で)=三輪洋子撮影

コンサートのチケットを転売する「二次流通」市場が急拡大している。

インターネットで売買を仲介するサービスが普及してきたためだ。不要になったチケットをほしい人に売却できる利点があるものの、転売目的で買い占めて価格をつり上げる動きもあり、コンサートの主催者団体は是正に向けて動き出した。

市場拡大

米国の人気歌手マドンナは定価5万円が21万円、人気バンドGLAYは同7560円が3万1000円――。ネットの仲介サイトで人気歌手のコンサートチケットが高値で売り出されている。

仲介サービス「チケットキャンプ」を運営するフンザ社によると、2015年の国内二次流通市場は約500億円に上り、19年には6割増の800億円に増える見込みという。市場が拡大しているのは、様々な企業が仲介サービスを強化しているからだ。

米ネット通販大手イーベイが14年、仲介サイトを運営する「チケットストリート」に出資したほか、会員制交流サイト大手「ミクシィ」は15年、フンザ社を買収した。チケットキャンプの15年12月の月間取引高は前年同月比4倍の約36億円に達した。

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