> > 医療保険選びのポイントになる「入院時にかかる差額ベッド代」とは?

医療保険選びのポイントになる「入院時にかかる差額ベッド代」とは?

女性

入院時に「差額ベッド代がかかる」って聞いたんだけれど、どういうことなの?

女性
差額ベッド代は、正式には「特別療養環境室料」っていうの。
要は、普通とは違う病室に入院するときにかかる追加の室料のこと。
この室料は健康保険が適用されないため、「差額ベッド代が医療保険に加入すべきかどうかを考えるポイント」になってきます。
今回はこの差額ベッド代について解説していくね。
 もくじ


【登場人物紹介】

女性
ナツミ
30歳、妊娠6か月のプレママ。妊娠を機に退職してしまったので、子どもの将来のお金がちょっと不安。少しでも家計のムダを減らして貯蓄にまわせるようお金や保険のことを勉強中。
女性
ママFP
小3、中2の2人の息子を持つママ。独身時代に国内大手生命保険会社でセールスレディーとして勤務していた。今は子育てに専念する傍ら、主婦友の保険相談にのることを趣味としている。本当に中立な立場で保険相談にのってもらえると主婦友から好評判。


差額ベッド代は全額自己負担

差額ベッド代がかかる病室を意味する「特別療養環境室」は、次の4つの条件を満たした病室のことをいいます。

  • 病床数が4床以下であること
  • 1人あたりの病室面積が6.4㎡以上であること
  • プライバシーを確保する設備があること
  • 個人用の私物の収納設備、個人用の照明、小机等及び椅子があること

女性

個室だけじゃなくて少人数部屋でも差額ベッド代がかかる場合があるのね!
実際にはどれくらいかかるんですか?

女性
1日で平均5,829円。
何度も言うけど、健康保険が使えないから全額自己負担になります。

特別療養環境室は、健康保険適用対象外です。そのため、入院費用がかさんだ場合に高額療養費制度(注)を利用することもできません。全額自己負担になってしまいます。
1日あたりの室料は、平均で5,829円(平成23年厚生労働省調査)です。
これはあくまで平均値なので、東京などの都心部ではさらに高い金額になることも考えられます。

(注)高額療養費制度とは、1か月の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合、請求することでその超過額を払い戻してもらうことができる制度。

差額ベッド代を支払わなくてもいい場合もあります

女性

差額ベッド代がかかる部屋に入院することになったら、絶対に室料を払わなくてはいけないの?

女性
そうとは限らないの。本人が希望しない場合など、室料を払わなくてもいい場合がいくつかあります。

病院側が差額ベッド代を請求できない場合には3種類あります。

  • 同意書による確認を行っていない場合
  • 治療上の必要があって特別療養環境室へ入院させる場合
  • 病棟管理の必要性から特別療養環境室に入院させた場合で、実質的に患者の選択によらない場合

これらの場合には「患者が差額ベッド代のかかる部屋への入院を希望したわけではない」ので、差額ベッド代が請求されることはありません。
確かに、院内感染を防ぐために個室へ移された場合にも差額ベッド代を請求されるのはおかしいですよね。

ということは、裏を返せば、差額ベッド代が請求される場合は「同意書による確認」が行われているということになります。
同意書にはその部屋の設備や料金について明示されており、患者(またはその家族など)がその内容の説明を受けます。その上で署名をすれば差額ベッド代が請求されます。
差額ベッド代を支払いたくない場合は、同意書にサインをしなければ請求されないということです。

差額ベッド代で病院側とトラブルにならないために

女性
同意書にサインしなければ差額ベッドを拒否できるっていっても、そんなことできるんでしょうか?病院との関係が悪化したりしそう・・・。
女性
確かにこれから入院して長くお世話になるかもしれない、っていうのにサインを拒否するのは難しい場合もありえるよね。ただ、交渉をしたり、相談する手もあります。

現実には、同意書にサインをしない、差額ベッド代の支払を拒否するというのは難しいものです。
緊急入院しなければならないにもかかわらず、「同意書にサインできないなら、当院では受け入れできません」と言われてしまったらどうしようもありません。
他にも、「同意書にサインしなかったせいでちゃんとした治療をしてもらえないかもしれない…」といったことが心配になってくるかもしれません。

このように、同意書のサインは拒否しにくいかもしれませんが、病院側に交渉することは可能です。大部屋が希望であることや経済的に厳しいということを伝えれば、室料の交渉ができる場合もあります。
また、大部屋が空いたときには必ずそちらに移して欲しいと伝えておくのも効果的です。
差額ベッド代がかかる部屋への入院日数を少しでも減らせるかもしれません。
同意書にサインするときにこのことを書いておき、特別療養環境室への入院を希望していない証拠を残しておくといいでしょう。

ここまでしていても、空いている大部屋に移してもらえなかったり、請求できない場合にあたりそうだったりして、差額ベッド代が請求された場合には、相談できる窓口があります。
社会保険事務所や厚生労働省の厚生局が、トラブルがあった場合の相談窓口になってくれるので、困ったときはひとりで悩まずに連絡してみましょう。

差額ベッド代のことを考えて手厚い医療保険に入るべき?

女性

差額ベッド代のことはよくわかったけど、じゃあ、それをふまえて医療保険の入院給付金額はいくらにすればいいんでしょうか?

女性
入院すると、差額ベッド代以外にも色々な費用がかかるよね。
そこまで保険に頼りたいかどうか、で考えましょう。

生命保険文化センターが平成22年に調べた結果によると、入院時の自己負担額は1日あたり平均16,000円となっています。これには、治療費や差額ベッド代のほか、食事代の一部負担や日用品にかかった費用も含まれています。
こういった自己負担額をまかなうことができるのが医療保険です。

ただ、医療保険は、病気にかからなければ掛け捨てになる保険です。そのため、どこまでを医療保険に頼るかは、人それぞれです。
「貯蓄でも備えているから、差額ベッド代分くらいでいい」と考える人もいれば、「入院したときにかかる費用をできるだけ保険でまかないたい」と考える人もいるでしょう。
今のあなたの生活や貯蓄の状態にあわせて、適切な入院給付額を決めましょう。

併せてこの記事も読みたい

保険商品徹底検証

医療保険

老後破産 対策

学資保険 選び方

無料相談サービス

保険の基礎のキソ

お役立ちコンテンツ

保険会社研究

ギモンにお答えします



サイトMENU

Copyright (C) 2016 GV inc. All Rights Reserved.