100均のUSBケーブル VS
大型ショッピングセンターのUSBケーブル
【初めに・・・】
少し、気になることがありましたので検証いたしました。それはUSBケーブルによって音が変わるのか?についてです。
私のレコーディング環境ではそもそもPCを使うことなくレコーディングしていますので、オーディオインターフェイスを使用するときのUSBやFirewireについてあまり気にすることがありませんでした。
と言っても、数年前は高価なインターフェイスを使用していましたのでケーブルにこだわって使用していた時期があります。
USBケーブルだけを調べてもケーブルは多種多様でどれを選んだらいいのか解らないぐらいです。中には、1万円以上もするケーブルがあるようです。
【検証条件】
今回は、USBケーブルに焦点を絞り検証してみたいと思います。
そして検証するUSBケーブルは以下2種類のケーブルです。
【検証条件と環境】
・両者共に長さは1mとします。
・PC接続のときのUSBジャックの位置は共に同じとします。
・共にUSB2.0規格とします。
1、100均のケーブル
某100均で売られているUSBケーブル |
2、電気屋で普通に売っているオーディオ用のケーブル
オーディオ用として売られていたUSBケーブル |
【外観】
さっそく100均で購入したケーブルを開封しましたら、意外としっかりしたケーブルで業務等で必要になった時には普通に使えるのではないか?と思えるケーブルです。見た目も100均のUSBとは思えない印象でした。
ちなみにお値段は100円ではなく105円です。
オーディオ用というだけあって金メッキにフェライトコアが両端についています。ケーブルの太さは100均のケーブルと変わりはありません。
どこのメーカーか不明ですが、見た目からしてこちらのケーブルだと思います。http://buffalo.jp/products/catalog/supply/cable/usb/usb2/bsuabsfc2/
ブラグに金メッキがされています。 |
フェライトコアが両端についています。 |
【検証前に・・・】
今回のテストで使用する音源として最も適していると思われるAlesisのA6 Andromedaのホワイトノイズとサイン波にLFOをアサインしてピッチ変化を与えた音の2つを使用します。
ちなみにこんな感じです・・・音量注意!!
AlesisのA6 Andromedaのホワイトノイズとサイン波の録音にはSONYのPCM-D50を使用して、96kHz/24bitで録音しました。
今回の検証で、スペクトラムアナライザとして使用するソフトは普段マスタリングでお世話になっているフリーのソフト「VoxengoSPAN」です。
以前のブログで紹介していますhttp://electronica-mini.blogspot.jp/2013/01/vstdtm.html
私が使用しているのは古いバージョンで新しくなってからは見た目的に使いやすくなっているようですが、私はこの古いタイプが気に入っているので今でも使っています。細かな設定が出来てフリーにしては優秀だと感じています。
それぞれのホワイトノイズとサイン波の画像です。
ところで・・・
冒頭でもお話したとおり私はオーディオインターフェイスを所有しておりません。しかし、ACCESSのVIRUSがありますのでこれをインターフェイスとして使用します。24ビット192kHz D/Aコンバーターという仕様からして検証には十分な性能を持っていると思います。
まずDAWで再生された音はPCからUSBケーブルを通ります。そして、ACCESSのVIRUSがデジタル信号をアナログ信号に変換してアナログケーブルを通ってYAMAHAのスピーカーへと流れます。
その、スピーカーから再生された音をSONYのレコーダーで録音して、PCへ録音データを移します。
つまり・・・
【A6 Andromeda】
↓
【SONYレコーダー】
↓
【PC】
↓
【DAW】
↓
【USB】(ここでUSBの違いを検証)
↓
【VIRUS】
↓
【スピーカー】
↓
【SONYレコーダー】
↓
【PC】
↓
【DAW】
↓
【VoxengoSPAN】 ここで可視化
・・・という流れになります
今回の検証ではFL Studioで再生して、レコーダーで録音した音データをVoxengoSPANで可視化します。
USBの種類以外の条件は全て同じにします。
とりあえず、もったいぶらずに以下結果報告です。
1、まず100均のUSBの画像です。
2、続いてオーディオ用USBの画像です。
それぞれのUSBの大きな違いとしては、White Noiseのときに100均のUSBでは800Hzで大きな落ち込みが目立つのと、15Hz前後の盛り上がりと29Hzの落ち込みがあるところです。そして、オーディオ用のUSBは800Hzに落ち込みは無く、15Hz前後の波形もなだらかです。元のWhite Noiseと波形が近いと言えます。
続いて、LFO sine waveでも100均では同じく800Hzの落ち込みを見ることが出来ます。そして、オーディオ用USBのほうがLFOの最低周波数帯域の20~40Hz前後を正確に再生しています。
(低域の周波数の波形の極端な波は、YAMAHAのスピーカーの再生能力によるものです)
以上のことを考えると、スペクトラムアナライザを使用して検証した結果は、100均のUSBよりもオーディオ用として売られているUSBケーブルのほうが再生能力がすぐれていると言えます。
耳による確認は個人差が大きく出ますので参考程度で報告します。
使用する条件、インターフェイス等々は同じですが、先日改造して見違えるようになったヘッドホンを使用します。
http://electronica-mini.blogspot.jp/2013/02/ath-ad500.html
検証に使用する曲は一番変化がわかりやすいと思いますので、自分で制作した曲を使用します。
ちなみに、昨日制作したこの曲です。
WAVデータをiTunesにて再生した感想を報告します。
Miamiのハイハットの持つ特徴である金属質的な音がおさえられて、音全体の少し後ろに下がったように感じます。
あと、Kickのアタックが良い意味で優しく感じます。
xOxbOxのベースラインは曲全体とのなじみが良く、控え目ながらも元々私が曲の中で設定した存在意義を発揮してくれています。
最後にエフェクターを多数使用した曲ですが、それぞれの効果音や3種類のリバーブを通して作った音の変化等は私のイメージ通り再生してくれています。
全体的な感想としては音の輪郭が柔らかくなり、こもったような印象を受けました。そして、奥行きは狭くなりましたが、パーツごとの音が一つにまとまったように感じます。
Miamiのハイハットは自己主張をしていて、個性を発揮しています。
Kickのアタックは先ほどより強く感じます。
xOxbOxのベースラインですが、高い音から低い音まで綺麗に再現されています。こちらの方が、私が設定した存在意義を理解しているように感じます。
最後に、エフェクターを多数使用した効果音等についてですが、こちらの方が個々の効果音等をハッキリと確認することが出来ます。
全体の感想としては、こちらのUSBのほうが個々のパーツの居場所を明確に確認することが出来ます。さらに、曲の中でリバーブの設定を極端に変更したりしているのですが、そのエフェクト等のかかり具合の違いをこちらのUSBケーブルでは確認することが出来ました。
奥行きがあり、音を明確に再現していると感じます。
今回の検証ではこのような結果となりましたが、やはりUSBによる音の違いは私個人の感想としては大きく変わるという結論になりました。
と言っても、100円と800円前後のUSBの値段の差ですので、実際にそれ以上の値段のUSBケーブルではどのような変化があるのかは解りません。
1万円払えばそれだけの効果が期待できるのかもしれません。
ただ、どちらかというとケーブルの材質よりもフェライトコアを使うことによる効果のほうが大きいような気がします。
あと、何よりも大切なことは自分自身の耳で確認することです。
以前のブログで紹介していますhttp://electronica-mini.blogspot.jp/2013/01/vstdtm.html
私が使用しているのは古いバージョンで新しくなってからは見た目的に使いやすくなっているようですが、私はこの古いタイプが気に入っているので今でも使っています。細かな設定が出来てフリーにしては優秀だと感じています。
それぞれのホワイトノイズとサイン波の画像です。
White Noiseの画像 |
LFO sine waveの画像 |
ところで・・・
冒頭でもお話したとおり私はオーディオインターフェイスを所有しておりません。しかし、ACCESSのVIRUSがありますのでこれをインターフェイスとして使用します。24ビット192kHz D/Aコンバーターという仕様からして検証には十分な性能を持っていると思います。
【検証方法】
A6の録音した音データの流れとしては、まずDAWで再生された音はPCからUSBケーブルを通ります。そして、ACCESSのVIRUSがデジタル信号をアナログ信号に変換してアナログケーブルを通ってYAMAHAのスピーカーへと流れます。
その、スピーカーから再生された音をSONYのレコーダーで録音して、PCへ録音データを移します。
つまり・・・
【A6 Andromeda】
↓
【SONYレコーダー】
↓
【PC】
↓
【DAW】
↓
【USB】(ここでUSBの違いを検証)
↓
【VIRUS】
↓
【スピーカー】
↓
【SONYレコーダー】
↓
【PC】
↓
【DAW】
↓
【VoxengoSPAN】 ここで可視化
・・・という流れになります
今回の検証ではFL Studioで再生して、レコーダーで録音した音データをVoxengoSPANで可視化します。
USBの種類以外の条件は全て同じにします。
FL StudioのSample reteを96kHzに設定 |
スピーカーはYAMAHA MSP3です |
こんな感じで録音 |
【検証結果】
とりあえず、もったいぶらずに以下結果報告です。
1、まず100均のUSBの画像です。
White Noiseの画像 |
LFO sine waveの画像 |
2、続いてオーディオ用USBの画像です。
White Noiseの画像 |
LFO sine waveの画像 |
解りやすいように並べてみました。
【White Noise】 上が100均、下が普通のUSBケーブル
【LFO sine wave】 上が100均、下が普通のUSBケーブル
【結果報告】
それぞれのUSBの大きな違いとしては、White Noiseのときに100均のUSBでは800Hzで大きな落ち込みが目立つのと、15Hz前後の盛り上がりと29Hzの落ち込みがあるところです。そして、オーディオ用のUSBは800Hzに落ち込みは無く、15Hz前後の波形もなだらかです。元のWhite Noiseと波形が近いと言えます。
続いて、LFO sine waveでも100均では同じく800Hzの落ち込みを見ることが出来ます。そして、オーディオ用USBのほうがLFOの最低周波数帯域の20~40Hz前後を正確に再生しています。
(低域の周波数の波形の極端な波は、YAMAHAのスピーカーの再生能力によるものです)
以上のことを考えると、スペクトラムアナライザを使用して検証した結果は、100均のUSBよりもオーディオ用として売られているUSBケーブルのほうが再生能力がすぐれていると言えます。
【聴覚による検証】
耳による確認は個人差が大きく出ますので参考程度で報告します。
使用する条件、インターフェイス等々は同じですが、先日改造して見違えるようになったヘッドホンを使用します。
http://electronica-mini.blogspot.jp/2013/02/ath-ad500.html
検証に使用する曲は一番変化がわかりやすいと思いますので、自分で制作した曲を使用します。
ちなみに、昨日制作したこの曲です。
WAVデータをiTunesにて再生した感想を報告します。
1、100均のUSBケーブルの感想
最初に、少々音の輪郭が柔らかい印象を受けます。Miamiのハイハットの持つ特徴である金属質的な音がおさえられて、音全体の少し後ろに下がったように感じます。
あと、Kickのアタックが良い意味で優しく感じます。
xOxbOxのベースラインは曲全体とのなじみが良く、控え目ながらも元々私が曲の中で設定した存在意義を発揮してくれています。
最後にエフェクターを多数使用した曲ですが、それぞれの効果音や3種類のリバーブを通して作った音の変化等は私のイメージ通り再生してくれています。
全体的な感想としては音の輪郭が柔らかくなり、こもったような印象を受けました。そして、奥行きは狭くなりましたが、パーツごとの音が一つにまとまったように感じます。
2、オーディオ用のUSBケーブルの感想
最初に、奥行きが広がりそれぞれの音のパーツをハッキリと認識することが出来ます。Miamiのハイハットは自己主張をしていて、個性を発揮しています。
Kickのアタックは先ほどより強く感じます。
xOxbOxのベースラインですが、高い音から低い音まで綺麗に再現されています。こちらの方が、私が設定した存在意義を理解しているように感じます。
最後に、エフェクターを多数使用した効果音等についてですが、こちらの方が個々の効果音等をハッキリと確認することが出来ます。
全体の感想としては、こちらのUSBのほうが個々のパーツの居場所を明確に確認することが出来ます。さらに、曲の中でリバーブの設定を極端に変更したりしているのですが、そのエフェクト等のかかり具合の違いをこちらのUSBケーブルでは確認することが出来ました。
奥行きがあり、音を明確に再現していると感じます。
【雑感】
今回の検証ではこのような結果となりましたが、やはりUSBによる音の違いは私個人の感想としては大きく変わるという結論になりました。
と言っても、100円と800円前後のUSBの値段の差ですので、実際にそれ以上の値段のUSBケーブルではどのような変化があるのかは解りません。
1万円払えばそれだけの効果が期待できるのかもしれません。
ただ、どちらかというとケーブルの材質よりもフェライトコアを使うことによる効果のほうが大きいような気がします。
あと、何よりも大切なことは自分自身の耳で確認することです。
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