被保険者10人分、紙で渡す 福岡
課長らが10人分の個人情報、社会保険労務士に
ハローワーク職員による情報漏えい事件で、福岡県警が国家公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕したハローワーク福岡東雇用保険適用課長、武石博容疑者(59)らが、雇用保険被保険者10人分の個人情報を紙に印字し、社会保険労務士、中嶋浄次郎容疑者(59)=同法違反(唆し)容疑で逮捕=に渡していたことが、捜査関係者への取材で分かった。県警は10人分以外にも個人情報を漏らした疑いがあるとみている。
県警は7日、福岡市のハローワーク福岡東、福岡西などを家宅捜索した。福岡労働局によると、武石容疑者と、元ハローワーク福岡西期間業務職員、田中美月容疑者(58)=同法(守秘義務)違反容疑で逮捕=は、全国の被保険者約4000万人分の個人情報を閲覧できる権限があった。個人情報には、勤務した事業所の一覧や採用・退職年月日、「自己都合」などの退職理由も含まれていた。
捜査関係者によると、武石、田中両容疑者は個人情報を印字してハローワーク内で中嶋容疑者に渡したとみられる。【吉住遊】