今の日本にも萎縮していないマスコミがあるというので、安倍総理が推薦したという日刊ゲンダイを、昨夜の新宿で初めて買ってみた。タブロイド判44ページで150円だった。見ての通りの紙面構成で清原問題がトップだが、甘利問題も追及していて「でっちあげで潰された小沢とはエライ違いだ」と見出しにしている。さらにリード文では「これだけ証拠と証言が揃っているのに、なぜか鈍い東京地検の動きと思惑」それに加えて「しょせん権力側でしかない法務検察に期待しても、ゴロツキ秘書一人の逮捕で幕引きがせいぜいだろう」と簡にして要を得ている。私の常識とも一致する妥当な記事だと思った。
しかし考えてみると、この程度の解説記事さえほかの新聞でもテレビでも見ていないのは、なぜだろう。検察が不起訴にするならば、民間有志の申し立てで検察審査会を開き、強制起訴に持ち込むべき事案だと思うのは私だけではないだろう。小沢一郎の場合は、本人が政権側にいたにもかかわらず、地下水脈としての権力は政権交代していなかったので、あのような結果になった。現在の、政権権力と癒着した検察を相手にして、果たして強制起訴は可能だろうか。
それより何より、そのようなことを話題にする新聞が「日刊ゲンダイ」以外に一つもなくなったほど、今のマスコミが萎縮をきわめているのは事実と思わざるをえない。日刊ゲンダイの中身は、競馬情報や風俗情報・広告などが大半を占めていて、ふつうの家庭人や女性はあまり購読しないだろうと思われた。政権への批判精神を失わないでいる新聞が、この一種類しかないというのは、あまりにも淋しいではないか。
マスコミの自由度を計る国際ランキングでも、日本の信頼度は急降下していると伝えられる。憲法の第21条は「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障する」と定め、しかもこれには「公益に反しない限り」といった制限は何も付けていない。この憲法が生きている間に、日本のマスコミは、ぜひ立ち直ってほしい。いま目覚めなければ、後世に悔いを残すぞ。
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