「わが社の共産党の集会では、『私は贅沢な日本旅行を楽しんでしまいました』『○○さんは日本旅行で買ってきた高価な物を自慢していました』などと、日本に関する批判が相次ぎました。
そして、今後の反省として、『これからは日本ではなく、中国共産党の革命の聖地を旅行します』『日本へ行って高価なショッピングを楽しむという人が周囲にいたら注意します』などと決意表明したのです。
かくいう私も、実は2月に、家族でさっぽろ雪まつりツアーを予約していましたが、キャンセルして、実家に戻ることにしました。子供には怒られましたが、日本旅行が理由で失脚するのは嫌なので、仕方ありません」
習近平主席は'12年暮れに、「八項規定」という贅沢禁止令を発令。「トラもハエも同時に叩く」として、大々的な腐敗防止キャンペーンを始めた。今年1月12日には6回目の党中央紀律検査委員会全体会議を開き、「鉄を打つには自らも硬くないといけない」として、腐敗防止キャンペーンの継続を宣言した。
1月19日に、世界が注視した「'15年の中国の経済成長」を発表したばかりの王保安国家統計局長も26日、「重大な汚職の嫌疑」で摘発されてしまった。
こうした厳しい引き締め策も、やはり経済の悪化と無関係ではない。
「今年は、破綻した国有企業や民営企業を淘汰する『1000万人リストラの年』になるでしょう。これまで国民は株で収入を補?してきましたが、いまや上海総合指数は、危険ラインの3000ポイントを大きく下回って2700台に突入。生活が逼迫して、海外旅行を楽しんでいる場合ではなくなってきているのです」(前出・李氏)
昨年、中国人の「爆買い」で最も儲けたと言われた総合免税店「ラオックス」本社経営企画部のIR広報担当者も語る。
「今年の春節には、昨年のような高額の福袋は置きません。中国人のお客様が高価なものより、安価な日用品を好む傾向が強まっているからです」
「爆買い」から「並買い」へ。それでも日本に来てくれるだけありがたい。ショッピングに加えて、「一度訪日した中国人は親日派になる」と言われるからだ。
だが習近平政権の強烈な引き締めによって、そんな中国人は減り、日本に落ちる「爆買いマネー」も激減することが予想される。習近平の「爆買い禁止令」が日本経済に与える影響の大きさについては、回を改めて述べよう。
つづきは明日公開
「週刊現代」2016年2月13日号より