iPhoneは世界的に見ても、非常に多くの周波数帯をサポートする端末です。日本でもLTEに使用されている周波数帯チャンネルのほとんどをサポートする希有な端末ですが、どの周波数帯を使っているかは、外見からはわかりません。自分がいる場所の電波を知る方法はないのでしょうか? 

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iPhoneはデータ通信方式にLTEと3Gをサポートしていますが、ひとくちにLTEや3Gといっても色々な種類があります。3GであればNTTドコモとソフトバンクが使っているW-CDMAと、auが使っているcdmaOne。LTEであれば主要3社はすべて-LTE方式ですが、ソフトバンク系ではワイヤレスシティプランニングのTDD-LTE方式も利用可能です。

幸い、日本仕様のiPhoneはiPhone 6以降、1つのモデルで日本で使用可能なすべての3GとLTEの形式と周波数帯をサポートするため、普通のユーザーは周波数帯を気にする必要はありません。SIMフリーモデルを購入した場合でも、有効なSIMさえあればどこのキャリアでも使えるというのは大きなメリットになります。

とはいえ、実は周波数帯や利用方式によっては通信速度が異なる場合があります。特にNTTドコモやauのLTE Advancedに対応したiPhone 6sの場合、きちんと広い帯域の電波を掴んでいるのか気にかかります。ということでさっそく計測してみましょう。

iPhoneでは特殊なコマンドで「テストモード」というアプリを起動することができます。このテストモードは本来キャリアの技術者などが利用するものなようで、現在認識している基地局や電波状況などを表示できます。


「電話」を起動し、「キーパッド」から「*3001#12345#*」と入力して発信ボタンをタップします。


電話がかかるかわりに「Field Test」というアプリが起動します。「Serving Cell Info」をタップして選択します。


ここで「Freq Band Indicator」の欄に表示されている数字がLTEバンドの数字になります。

LTEには1~44のバンドがあり、各キャリアはその中からいくつかを割り当てられて日本中に展開しています。iPhone 6以降で対応しているLTEのキャリアアグリゲーション(CA)では複数のバンドを束ねて太い回線のように高速通信できるようにしているのですが、いま自分がどのバンドを掴んでいるかによって最高速度は変わります。

LTEのバンド一覧とキャリアの対応表。上記の図の例ではソフトバンクの「41」ですから、2.5GHz帯のTDD-LTEを掴んでおり、最大150Mbpsまでの通信になる、というわけです。

なお、Field Testはあくまで現状がわかるだけで、残念ながらiPhoneの設定を変更したり、掴む電波を変えたり、より高速にできるものではありません。とはいえ、今いる場所はどんな電波を掴みやすいのかを把握できるだけでも、精神衛生上はだいぶ違ってくるかと思います。

iPhoneの隠し機能を使うと利用している電波の種類がわかる:iPhone Tips

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