ガンホー正念場、パズドラは海外で勝てるか
海外に注力するが、課題は山積している
人気スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」を牽引役に、急成長を続けていたガンホーがついに転換点を迎えた。
2月2日、ガンホー・オンライン・エンターテイメントは2015年12月期の通期決算を発表。2012年2月に「パズドラ」の配信を始めて以来、初めての減収減益となった。
売上の大部分を占めるパズドラはサービス開始から約4年が経過し、ユーザーのプレイ技術が向上している。ゲームを有利に進めるための課金需要が減速した影響で、2015年度の売上高は前期比10.8%減の1543億円、営業利益は同23.2%減の724億円となった。
海外は米国で「手応えアリ」
決算説明会で森下一喜社長は、「減収減益だが、業績は高位で安定している」と強調。確かに、高水準の利益は確保できている。しかし、減収減益に歯止めをかけて再び成長軌道に乗せられるかは、予断を許さない。スマホゲームの新作が大ヒットすれば話は簡単だが、当たるかどうかは出してみなければわからない。市場の成熟化が進み、1本あたりの開発費が高まる一方で、ヒット率は低下している厳しい環境だ。
そうした中、ガンホーが進めるのが、パズドラの海外展開と他社が開発したゲームを運営するパートナー戦略だ。
パズドラは国内で累計4000万ダウンロードに達しており、今後は新規ユーザーの獲得を続けるのは難しい。しかし、海外市場では大幅な上積みができる可能性がある。
2012年秋に配信を始めた米国では、2015年末に累計900万ダウンロードと大台に手が届くところまできた。累計ダウンロードが増えても、実際に遊ぶユーザーが増えなければ収益には結びつかないが、森下社長は「北米での売上高は順調に成長している。我々の長期的な運営サービスが効いているのではないか」と手応えを感じているようだ。収益にインパクトを与える規模まで早期に伸ばせるかが注目される。