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国連安保理 北朝鮮ミサイルで非難声明
2月8日 2時45分

国連安保理 北朝鮮ミサイルで非難声明
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北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイルの発射について、緊急の会合を開いていた国連の安全保障理事会は、安保理決議の明白な違反だと強く非難する声明を発表しました。
国連の安全保障理事会では、日本、アメリカ、韓国の要請に基づいて、7日午前11時すぎ(日本時間の8日午前1時すぎ)から緊急の会合が非公開で行われました。
およそ1時間半にわたる会合のあと、議長国のベネズエラのラミレス国連大使が「北朝鮮による弾道ミサイルの技術を使った発射は、たとえ人工衛星の打ち上げだと主張しても、核兵器の運搬技術の開発につながるもので、安保理決議に違反し、強く非難する。核実験のあとの安保理の警告を無視して北朝鮮が新たにとった違反行為に対し、安保理は迅速に決議の採択を目指す」とする報道機関向けの声明を発表しました。
安保理による非難声明は、先月、北朝鮮が核実験を行った際に続くもので、強硬姿勢を崩さない北朝鮮に対して国際社会が速やかに一致した対応を示した形です。
しかし、北朝鮮に対する制裁決議を巡っては、厳しい追加制裁を求めるアメリカや日本などと、北朝鮮の混乱を恐れ慎重な立場をとる中国との間で交渉は難航しており、北朝鮮による事実上の弾道ミサイルの発射という新たな事態を受けて、アメリカと中国が歩み寄れるかどうかが、最大の焦点となります。

日本国連大使 早期の決議採択に期待

国連安全保障理事会の緊急の会合に出席した日本の吉川国連大使は「会合では、北朝鮮のミサイルの発射を受けて、制裁決議の採択を急ぐべきだという意見が相次いだ。北朝鮮は制裁決議をよそに核開発を加速させてきたため、決議の質を変えなければならないという議論があり、協議に時間がかかっている。非難声明で迅速な決議の採択を目指すことで合意が図れたのは意義深い」と述べ、速やかな決議の採択に期待を示しました。
また、北朝鮮に対する追加の制裁に慎重な中国について、吉川大使は「会合での中国大使の発言を聞くと、ミサイルの発射は非難しているものの、制裁に慎重な立場に変わりはない。これから大きく動いていくかどうかは中国政府の対応を待たなければいけない」と述べ、制裁決議を巡る交渉は中国の出方が鍵を握っているという見方を示しました。

日米韓共同会見 決議の必要性強調

安全保障理事会の緊急会合のあと、日本、アメリカ、韓国の3か国の国連大使が共同で会見し、核実験に続いて弾道ミサイルの発射を強行した北朝鮮に対する新たな制裁決議の必要性を強調しました。
このうち、日本の吉川国連大使は「今回の発射は北朝鮮が人工衛星と呼ぼうとも明確な長距離弾道ミサイルの準備で、安保理の決議に明らかに違反している。安保理はさらに厳しい措置を含む新しい決議の採択に向けて取り組まなければならない。今回の北朝鮮の行為は、日本や韓国のほか、アメリカを含むその他の国々にとって現実の脅威であることを深刻に受け止めなければならない」と述べました。
韓国のオ・ジュン(呉俊)国連大使は「ピョンヤンの町で人々が祝う様子を見て、悲しく、あわれに思っている。なぜなら今回の発射実験にかかる費用は1000億円近くで、その額があれば、北朝鮮の人々を1年間食べさせられるからだ。安保理にとって断固たる決議を採択することは緊急課題だ」と述べました。
また、アメリカのパワー国連大使は「重要なのは、安保理の結束で、中国は重大な役割を担っている。中国が地域の平和と安定への深刻な脅威を理解するとともにキム・ジョンウン(金正恩)氏の予想を上回り、新しい段階に踏み出すための前例のない厳しい措置をとることの重要性を理解することを望んでいる。決議に厳しい内容を含むだけでなく、極めて迅速に行動することが重要だ」と述べました。そのうえで、新たな制裁決議の採択の時期については、「できるだけ素早く行う。これは緊急で、すでに機は熟しきっている」と述べました。
一方、制裁決議に厳しい追加制裁を盛り込むことに慎重な立場をとってきた中国の劉結一国連大使は記者団に対して、「新しい決議に向け、安保理は結束して取り組む必要がある」と述べるにとどまりました。

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