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 1959年を想定した核攻撃目標リストをみると、分類番号275が最も身の毛がよだつ標的だ。それは、ただ「Population(住民)」とだけ記してある。

 米国の国立公文書記録管理局(NARA)はこのほど、ソ連と戦争になった場合を前提に作成された核攻撃目標の詳細なリストを初めて公開した。標的はソ連領内だけではなく、東ヨーロッパや中国各地なども設定されていた。主要都市の「組織的な破壊」を目的にした標的がリストアップされており、たとえばモスクワの場合は「農業施設」や「重工業変圧施設」など179カ所で、レニングラード(訳注=現在のサンクトペテルブルク)145カ所、東ベルリン91カ所といった具合だ。標的を、「DGZs」(designated ground zeros=指定爆心地)と呼んでいる。

 その多くは産業施設や政府の建物などだが、それぞれの都市は単に「住民」としている。