漫画の編集者Mのブログ

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男向けの成年漫画誌では、原作を元にした漫画が数多くあります。
少年誌でも、かなりの数が見られますね。
それに対して、少女・女性向けでは、原作を元にした漫画は少ないです。

これは、少女・女性向けの漫画では、作者の感性(感情)が重視されていて、情報性やドラマツルギーは、その次だと認識されているからかと思います。
ちょっともったいない気がしますね。
もう少し、原作と漫画のコラボがあっても良いのに。
作品を自分ひとりのコントロール下に置きたいという気持ちが強いのでしょうか。

大人の読むに耐えるレベルの漫画作品を描くことは、いつだって大変です。
医者や弁護士、警察、自衛隊、趣味嗜好品、美術品、特殊な食材などが絡んでくれば、物語作りにあたって、専門的で正確な知識は不可欠です。
その分野を取材して、キャラクターも作って、物語も考えて、ネームを描いて、作品を仕上げる……。
けっこう膨大な作業量になりますね。

通常は、編集者も一緒に取材しますが、専門家にもアイデアをもらうことも多いです。
アドバイザー、スーパーバイザーとして、作品を監修してもらうことも。
自然と分業体制になってきますね。

企画はありだが、漫画家ひとりでは、漫画にするのは困難だと思われるとき、原作者や脚本家を立てることも往々にしてあります。
漫画家には、キャラクターや作画に専念してもらうわけです。

原作者自身が企画を持っている場合は、そのまま原作を書いてもらいます。
漫画家が、かなり脚色・演出する場合は、原案という位置づけ。

編集者が漫画家と原作者の間を取り持ちます。

しかし、これだけ漫画原作の需要があるのに、いまだに原作者が増えないのは、何故でしょうか?

ひとつには、漫画の原作者を養成するシステムが弱いのではないかと思います。
新人漫画家には、手取り足取り、日夜指導がなされますが、原作者には、あまり熱心に指導しているという話は聞きません。
私が知らないだけかも知れませんが……。

あるいは、漫画の原作者になるための入り口がはっきりしない。
または、漫画家以上に、原作者になっていく道筋が見えにくい。
はたまた、原作者は食べていけるのか?

この辺に突破口がありそうです。

名のある原作者は、さまざまなルートで現在のポジションを得ています。
ライター出身、小説家出身、取材記者出身、漫画家出身……。
また、けっして貧しくなんかありません。
最高裁の判決でも、原作者の権利は、しっかりと保障されています。

映画やテレビドラマには脚本は必須ですが、漫画家は通常全部ひとりでやってしまうので、原作(シナリオ)は必ずしも必要ではないですね。
しかし、個人的なはもっとあってもいいのにと思います。
漫画家の負担も軽くなりますし。
一作ごとの消耗の度合いも小さくなるはず。
ふだんチャレンジしない分野にも手を広げることになるかも。
作品の幅が広がりますね。

小説や、シナリオライターから、もっと原作者を目指す人が出てきても良いのに、棲み分けがはっきりしているんでしょうか?(縄張りというか)

編集者が良く口にすることば。「なにか面白い原作はないか?」
面白い原作と言う時、設定が面白い、キャラが面白い、ストーリーが面白い、さらに映像的であるという点も重要。(漫画の原作は、絵にすることを前提にしていていますから)

原作者は常に不足しています。
もっと出てこないかなあ。













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