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「近大マグロ」富山での完全養殖研究打ち切り「十分なデータ取れた」

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「近大マグロ」富山での完全養殖研究打ち切り「十分なデータ取れた」

 近畿大水産研究所の富山実験場で、最後まで生きたマグロ=5日、富山県射水市(同研究所提供)  近畿大水産研究所の富山実験場で、最後まで生きたマグロ=5日、富山県射水市(同研究所提供)

 完全養殖の「近大マグロ」で知られる近畿大水産研究所が、富山実験場(富山県射水市)で進めていた水槽でのマグロ完全養殖研究を「十分なデータが取れた」として、1月末にいったん打ち切ったことが7日、研究所への取材で分かった。

 研究所によると、和歌山県と鹿児島県の実験場では、水槽で卵から6~7センチに育てた後、海のいけすに移して養殖するが、富山では水槽に入れた状態でどう育つかを観察していた。

 富山実験場では、昨年7月に鹿児島県から受精卵約60万粒を搬入。ふ化したうち約千匹を直径10メートル、深さ3メートルの円柱状の水槽で飼育していた。順調に成長していたが、昨秋以降、水温が低下し始めると水槽の壁にぶつかって死ぬマグロが増え、昨年末までに10分の1程度に減少。その後、ボイラーで海水を温める対策を取ると、死ぬ個体が減ると確認できたという。

 海水加熱はコストがかかるため、研究所はデータがそろったと判断し、1月末にボイラーの電源を切った。最後まで生きたマグロは全長約40センチ、重さ約950グラムにまで成長していた。

 養殖マグロは網にぶつかって死ぬことが多く、対策が課題。担当者は「衝突死をなくすため、まずは今回の研究データを分析したい」と話した。今後も富山実験場で水槽での完全養殖研究を続けるかは未定としている。

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