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 同時テロの現場のひとつだったパリ郊外のスタジアム「スタッド・ド・フランス」で6日、ラグビー6カ国対抗のフランス対イタリア戦があった。テロ後に催された初の試合。厳しい警備態勢が敷かれたが、観客からは「みんなが一つになる雰囲気が味わえた」との声があがった。

 昨年11月のテロでは、サッカーの独仏親善試合のさなか、スタジアムのそばで男らがベストに仕込んだ爆弾を爆発させた。この日の試合前、観客は入場に際して2度、3度とカバンの中身や上着を開いて見せるよう求められた。

 試合は接戦の末、フランスが23対21で勝利。近くに住むイザベル・ドゥレセさん(50)は「テロを思わずにいられないけれど、国旗が揺れる試合を楽しめることに感激した」と満足そうに話した。オランド仏大統領は観客席でインタビューに答え、「こうしたイベントを決してやめず、日々の暮らしを続けなければならない」と語った。(パリ=青田秀樹)