記事詳細
【日曜経済講座】
悲観論が漂うウォール街 もう通用しない「ネット」理論 ニューヨーク駐在編集委員・松浦肇
米投資会社ダブルラインのジェフリー・シャーマン氏が2日、投資コンサルタントが集う米投資運用協会の総会で講演した。題名は「『グラウンドホッグデー』が来た」。
「グラウンドホッグデー」とは、毎年2月2日に行う米国の祭事。巣穴に住むジリスの一種であるグラウンドホッグの動きを観察し、「春の到来」の時期を占う。
シャーマン氏が言うには、「『春の到来』は遠い」。経済の体温計ともいえる企業の決算発表が始まったが、「利ざやが4半期連続で縮小して、業績面では景気後退期に入る可能性が出てきた」。
米ウォール街で悲観論が漂い始めた。中国経済の減速、原油安による資源国経済の混乱など、リスク要因が嫌気されている。中でも、金融市場が敏感に反応するようになったのが、原油動向だ。
2日も、米国の代表的な株式指数であるS&P500種が急落している。前の日にニューヨークを訪れた米連邦準備制度理事会(FRB)のスタンレー・フィッシャー副議長が「完全雇用の目標にかなり近い」と述べたのにだ。