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Mardelas・蛇石マリナ、及川樹京インタビュー

Mardelasが目指すヘヴィメタルの革新と、ジャンルの超越「関心のない子たちの耳にも届けたい」

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 昨年4月にアルバム『Mardelas I』でメジャー・デビューしたヘヴィ・メタル・バンドMardelas(マーデラス)。紅一点のシンガー・蛇石マリナを中心に、テクニカルかつエモーショナルなギタープレイが魅力の及川樹京、そしてLIGHT BRINGERのリズム隊としても知られるhibiki(Ba)、弓田“Yumi”秀明(Dr)という強力な布陣で精力的なライブ活動を続け、昨年12月に発表したメジャー・ファースト・シングル『千羽鶴 -Thousand Cranes-』も好評を博すなど、着実に知名度を高めている。

 今回リアルサウンドでは、バンドの創設メンバーである蛇石と及川にインタビューを行なった。2人の音楽的ルーツから出会い、Mardelas結成とバンドの個性、そして2月11日に予定されているワンマン・ライブ『Mardelas Premium One-man Show 会場限定シングル発売記念 -Snake to Revive-』への意気込み、同日に会場限定販売されるシングル『Snake to Revive』で蛇石が過去に在籍したバンド・DESTROSE時代の楽曲をMardelasでカバーした理由まで、たっぷりと話を聞いた。(西廣智一)

「音楽への目覚め、メタルとの出会い」

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蛇石マリナ(Vo)

ーーまず最初に、おふたりの音楽のルーツを聞かせていただきたいなと思います。マリナさん、最初に音楽に目覚めたのは?

蛇石マリナ(以下、蛇石):小学校に入るちょっと前ぐらいに、ピアノを習い始めまして。中学ではオーケストラの部活に入って、ヴィオラというすごくマイナーな楽器を弾いていました。中高一貫の学校だったんですけど、どうせだったら新しいことを始めてみようかなという気分になったんです。ちょうど高校2年生か3年生のときに友達に誘われてバンドをちょっとやったことがありまして。そのときはハード・ロックじゃなかったんですけど、その記憶があったから「バンドもいいかも」と思ってサークルを覗きに行って、そこで出会ったのが彼(及川)だったんです。そのサークルには私たちが今やってるような音楽を思いっきりやってるような人たちもいたし、オシャレなポップスやちょっとジャジーなことをやってる人たちもいたし。いろんなジャンルがある中で「私にメタルは合ってるんじゃないか?」と勧めてもらったのがきっかけで、ちょっとやってみようかなみたいな感じで今に至ります。なのでジャンル的にはいろんなところを渡り歩いて来た感じですね。でも振り返ってみれば、今の自分が曲を書く上でそのルーツはかなり深く関係してるのかなと思います。

ーー1つのジャンルに固執しているわけではなくて、幅広く経験してきたものが今の音楽に集約されていると。

蛇石:そうですね。どんなジャンルでもメインの旋律が美しいものが正義だなというのが、私の中にあるので。ジャンルで括るというのはMardelasにおいてもあんまりやりたくないことなんです。

ーーちなみに歌うことには、バンドを始める前から興味があったんですか?

蛇石:高校の頃、友人に誘われて乗り気になったってことは、たぶん歌いたい気持ちはどこかにあったんでしょうね。ただ、ちょうどピアノを始めるときに母から「あなた、歌はやめておきなさい」と言われるぐらい、歌がちょっと壊滅的な感じで(笑)。当時は自分が歌うことに対してあまり自信がなかったので、そういう思いはどこかに隠していたんでしょうね。

ーーなるほど。それでは樹京さんは?

及川樹京(以下、及川):私は小学生のときにピアノを習わされていてですね(笑)。その頃は好きではなくて、楽譜も読みたくないとか言っていたくらいで。音楽もボーッとしていても耳に入ってくる、ランキングに入る曲だったり父親や母親が聴いてる曲しか聴いてなくて、全然音楽が好きというわけではなかったんです。でも中学生になったときに文化祭で友達がバンドをやっていたのを見て、カッコいいし自分も目立てるきっかけになるんじゃないかと思って、そのときに彼らがやっていたL'Arc〜en〜CielやGLAY、THE BLUE HEARTSにハマり、同時にギターも始めたんです。だから最初は全然メタルではなくて。その頃はヴィジュアル系がブームで、そういったバンドの楽譜をコピーするところからだんだんハードな方向に自分の趣味も移っていって。よく雑誌に彼らが影響を受けたアーティストが載っているじゃないですか。そういうのを通じて彼らが影響を受けたDEAD ENDとかを聴くようになりました。

ーーそうだったんですね。ちなみにメタルに目覚めたのは?

及川:ちょうどその頃、SEX MACHINEGUNSが「みかんのうた」でブレイクした時期で。確か「LOVE LOVEあいしてる」で生演奏したときに、ポール・ギルバートがサイドギターで入っていたんですけど、「こんなにギターを速く弾ける人がいるんだ!」って驚かされたんです。そこからは難しいことができることがカッコいいみたいな(笑)。私は山口県出身なんですけど、周りにあまりハード・ロックが好きな人がいなくて、高校の文化祭ではハイスタ(Hi-STANDARD)をやっていました。大学で上京して先ほどのサークルに入部してからは洋楽のメタルにどっぷり浸かって、ANGRAやSONATA ARCTICA、STRATOVARIUSなどを聴いてメタルを開拓しつつ、並行してギターも練習して今に至ります。大学のときはオリジナル曲はやってなくて、ずっと自分の耳でコピーしてギター・ソロを練習するという活動をしていました。

蛇石:恐ろしい数をコピーしてましたね。そのサークルでは固定のメンバーでバンドを組むんじゃなくて、みんながやりたい曲を1曲ずつ持ち寄って、一緒にやってくれるメンバーを探すみたいな感じだったから、わりと自分の好みじゃない音楽にも触れる機会が多かったんですよ。そういう経験がMardelasの音楽性につながってるんじゃないかと思ってます。

「初めからやりたいことが自分の中で決まっていた」

ーーちなみにお互いの第一印象は?

蛇石:後輩に厳しい、怖い先輩だなと。

及川:私は……不良娘みたいな(笑)。

蛇石:言うねぇ(笑)。

及川:ちょうど浜田麻里さんのコピー・バンドをやりたかったので、歌ってもらおうと声をかけて一緒にやったんです。技術的にはまだ荒削りだったけど、声を含めてとても存在感があって。そういう存在感って後天的に身に付けることが一番難しいんだけど、彼女にはボーカリストにとって一番大切な要素が備わっていたんです。

ーーそこからオリジナル曲を演奏するバンドを始めたと?

蛇石:彼から一緒にバンドをやろうと声をかけてもらって楽曲制作を一緒にやっていたんですけど、表に出る前に解散してしまったんです。私、そのときにやっていた音楽がすごく好きで、それがMardelasの原点になっているんです。忘れられないと言ったらアレですけど、そのバンドが解散してしまったことが悔しくて。いつかこういう曲を再びやるためには、自分も何かしらの形で活動しなくちゃいけないなって、よくわからない使命感に駆られまして(笑)。そこで出会ったのが、前のバンドのDESTROSEなんです。

ーーそこからDESTROSEで経験を積んで、しばらくしてからMardelas始動に向けて改めて動き出すわけですね。

蛇石:初めからやりたいことが自分の中で決まっていたし、やりたい音楽性や世界観が自分の中にしっかりあったからこそ、前のバンドを辞めたんです。で、ソロとかバンドとかユニットとかいろいろ形があると思うんですけど、自分がやりたいのはバンドだと。集団でカッコいい存在を作りたかったんですよ。でも最初はメンバーもいなくて1人だし不安もあって。とにかく動かなくちゃいけないって思いから、ソロ・プロジェクトという形でMardelasを始動させたんです。

ーー最初からバンドという形が頭の中にあって、そこに近付けるためにとにかく動こうと。

蛇石:そうです。なのでDESTROSEを辞めてから最初のサンプル音源を上げたのもかなり早かったですし、そのときから彼に声をかけていて、一緒にやってくれることが決まっていたんです。でも、そこからこんなにも早く理想のメンバーが集まるとは思ってなかったので、運が良かったなって。だって私、DESTROSEを脱退したのがアルバム発売の1年前ですから。必死だったんでしょうね。やりたいことをやるためにバンドを辞めると決断したんだから、とにかく前に進もうと。

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